田辺三菱・14年度第2四半期 レミケード9.8%減 薬価改定で 長期収載品はGE影響拡大
公開日時 2014/10/30 03:51
田辺三菱製薬は10月29日、2015年3月期(14年度)第2四半期(4~9月)決算を発表し、4月の薬価改定で市場拡大再算定が適用されて薬価が10.9%下がった抗リウマチ薬レミケードや長期収載品の減収が大きく影響し、国内医療用医薬品事業は売上1552億400万円、前年同期比9.2%減となった。長期収載品は薬価改定に加え、「想定を上回るジェネリックの影響拡大」が響いた。
国内の医療用医薬品の売上を見ると、主力のレミケードは352億円(前年同期比9.8%減)だった。ただ、期初計画に比べて19億円の増収となっており、健闘したともいえる。一方、長期収載品は慢性腎不全薬クレメジン、肝疾患薬ウルソ、抗血小板薬アンプラーグなどが前年同期比で2ケタ減収だったほか、脳保護薬ラジカットは3割以上の減収となった。入院医療で使われるラジカットは、今年4月の診療報酬改定でDPC病院の入院医療に導入された後発品使用促進策(=後発医薬品指数)が影響したと思われる。
連結業績も国内業績の影響を受けて、売上は1998億8300万円で、1.9%の減収だった。しかし、利益面はノバルティスに導出した多発性硬化症治療薬ジレニア、ヤンセンに導出したSGLT2阻害薬インヴォカナのロイヤリティ収入の増加などにより、各利益段階で2ケタ増益を達成した。なお、ジレニアのロイヤリティ収入は188億円(33.9%増)、ジレニアのロイヤリティ収入を含む「ロイヤリティ収入等」は279億円(82.3%増)の大幅増だった。
【14年度中間期連結業績(前年同期比) 通期予想(前年同期比)】
売上高1988億8300万円(1.9%減) 4060億円(1.6%減)
営業利益349億5400万円(14.8%増) 600億円(1.5%増)
経常利益354億5500万円(10.1%増) 615億円(0.6%減)
純利益325億1800万円(13.9%増) 405億円(10.8%減)
【14年度中間期の主要製品国内売上(前年同期実績) 通期予想、億円】
レミケード352(390)703
タリオン61(51)164
セレジスト79(91)154
メインテート72(77)145
シンポニー50(44)115
ヴェノグロブリンIH57(56)115
クレメジン54(64)105
ウルソ51(64)99
アンプラーグ44(59)84
デパス41(50)81
レクサプロ34(24)80
ラジカット38(57)72
テネリア27(0)65
ヘルベッサー28(35)55
タナトリル24(32)46
ワクチン計111(140)282
内インフルエンザ9(11)76
内テトラビック36(34)71
内水痘ワクチン19(19)52
田辺製薬販売取扱品(ジェネリックなど)64(67)137
【その他】
ロイヤリティ収入等279(153)536
内ジレニア ロイヤリティ188(141)非開示