田辺三菱・第一三共 SGLT2阻害薬カナグル 適正使用重視で慎重立ち上げ 共同でマルチチャネル展開
公開日時 2014/08/28 03:51
田辺三菱製薬と第一三共は8月27日、都内で開いたSGLT2阻害薬カナグル錠に関するメディアセミナーで、カナグル錠は適正使用重視で慎重に立ち上げていく方針を明らかにした。両社は9月3日に同剤を発売するが、SGLT2阻害薬は4月以降既に4成分5製品が発売されており、激しい競争に晒される。両社は共同販売するDPP-4阻害薬テネリア錠同様に両社4000人のMRの動員とともに、講演会、ウェブを通じたマルチチャネル戦略を共同で展開することでプレゼンスを確保しつつ、使い方に注意を要する薬剤でもあるとして、適正な使用について処方医の理解を得ながら、時間をかけシェアの獲得を進めたい考え。田辺三菱の村上誠一営業本部長、第一三共の木村悟医薬営業本部長兼マーケティング部長が説明した。
両社はテネリア錠と同様に「共同の戦略、共同のプロモーション方針、共同の活動」で臨む。競合製品が先行して市場投入されている中でカナグルの浸透をいかに図るかが課題になるが、田辺三菱の村上営業本部長は「垂直立ち上げは理想だが、この薬剤は強力な作用があるが、使い方に注意も必要であり、(浸透は)そう簡単ではない。使い方を確実にし、先生の理解を得るにはそれなりの時間はかかる」と説明。第一三共の木村医薬営業本部長も「適正使用に関してしっかりした活動をし、使い方の定着を図りたい」とし、時間をかけて浸透を図る姿勢を強調した。
中期的にも、糖尿病領域は両社の今後の成長を左右する領域であり、競争が激しい状況は続くと見て、両部長は投入MR数も減らすことなく継続的に営業リソースを投入していくとした。