米FDA 遺伝性血管浮腫治療薬Ruconestを承認
公開日時 2014/07/25 03:50
米食品医薬品局(FDA)は7月17日、遺伝性血管浮腫(HAE)治療薬・Ruconest(一般名:遺伝子組み換え補体第1成分阻害因子(C1-エステラーゼインヒビター))を承認した。同剤は初の遺伝子組み換えC1-エステラーゼインヒビターで、ウサギ乳由来の治療薬となる。適応は、成人ならびに青少年におけるHAEの急性発作の治療。
HAEは、C1インヒビター蛋白の減少・機能異常が原因で、四肢、顔、腸管、気道などに急激な腫脹が起きる。同剤は、患者の機能性C1-エステラーゼインヒビターの血中レベルを回復させることで、これらの症状を抑制する。
同剤は、Pharming Group NV(本社:オランダ・ライデン市)が製造、米国では、Salix Phramaceuticals(本社:ノースカロライナ州ラーレイ)の100%子会社Santarusが販売する。同社は年内の販売を目指すという。
PharmingのSijmen de Vries CEOは、「米国での承認は、我が社にとって非常に大きなマイルストーンだ。我々はHAE患者の生活にこの製品をもたらす価値ならびに便益の意義を十分に認識し、何年間も米国のHAE患者のために、C1-エステラーゼインヒビター欠損症に対する初の遺伝子組み換え代替治療薬を開発することに奮闘してきた。本日、米国でゴールに到達できたことを誇りに思う」とコメントした。
FDAのKaren Midthun生物製剤評価研究センター長は、「HAEは、希少疾患で生命を脅かす疾患だが、本日の承認で患者に重要な治療選択肢を提供できることになった」と同剤の登場を歓迎した。同剤は、希少疾病薬の指定を受けている。
HAEは、C1-エステラーゼインヒビターと呼ばれる血漿タンパクが遺伝的に欠損しているか不十分なために引き起こされる疾患。症状として、四肢、顔、腸管、気道などに急激な腫脹が起きる。これらの発作は自然に、あるいはストレス、手術もしくは感染症などを契機に発症する。特に気道の腫脹は緊急措置なしでは致命的となる。米国では、6000~1万人の患者がいるという。