田辺三菱 国内初のIBSのスイッチOTC薬セレキノンS 九州・沖縄限定で10日に新発売
公開日時 2014/07/09 03:50
田辺三菱製薬は7月8日、国内初の「過敏性腸症候群(IBS)の再発症状改善」の効能を持つスイッチOTC医薬品「セレキノンS」を九州・沖縄地区限定で10日に新発売すると発表した。同剤は同社が開発したトリメブチンマレイン酸塩を配合するOTCで、医療用医薬品では同社が製品名「セレキノン」として販売している。今回発売するセレキノンSは、医療用から一般用に移行して間もない薬が分類される「要指導医薬品」で、発売から原則3年間は薬剤師による対面の情報提供や指導を通じた販売が義務付けられる。
田辺三菱ではスイッチOTCを手掛けた経験はあるが、要指導医薬品を扱うのは今回が初めて。このため、地域限定販売にして課題や成果を検証することにした。検証後に全国展開を検討する。販売地区を九州・沖縄地区とした理由は、この地区に患者が多いということではなく、一般生活者に対する疾患啓発のためのテレビCMや交通広告を実施しても、その情報到達範囲が同地区に限定できるためという。なお、同剤の情報提供活動は田辺三菱のヘルスケア事業部の営業担当者が行う。
有効成分のトリメブチンマレイン酸塩は腸管運動が亢進している時は抑制し、低下している時は亢進させるという作用を持ち、腸の動きを正常化する。これにより、下痢型、便秘型、下痢と便秘を繰り返す混合型などのいずれの病型のIBSにも効果を発揮する。
IBSは、腸に器質的な病変がないにもかかわらず、ストレスなどにより、腹痛や腹部不快感を伴う下痢・便秘などの便通異常が慢性的に繰り返される疾患。日本では成人の有病率が10~15%といわれるが、病気との認識がないため受診率が低く、繰り返す症状に悩まされる人が少なくないとされる。