バイエル薬品 肝細胞がん術後補助療法でのネクサバール使用は非推奨 P3結果受け
公開日時 2014/06/04 03:52
バイエル薬品は6月2日、抗がん剤ネクサバール錠(ソラフェニブトシル酸塩)について、肝細胞がんにおける外科的切除または局所焼灼療法による根治的治療後の術後補助療法での投与は推奨されないと、自社の医療者向けサイトに文書を掲載した。日本も参加した国際共同フェーズ3試験(P3)で有効性が示されなかったため。
ネクサバールの適応は、根治切除不能または転移性の腎細胞がんと切除不能な肝細胞がん。添付文書には従来から「肝細胞がんに対する切除および局所療法後の補助化学療法における本剤の有効性および安全性は確立していない」と明記しており、同社は医療関係者に向け改めて「適切な対象患者、用法・用量を選択いただきますようお願いいたします」と呼びかけている。
国際共同P3の対象は、肝細胞がんの外科的切除術または局所焼灼療法による完全奏功が確認できた患者1100人あまり。プラセボ群と実薬群にランダムに割り付け、二重盲検による比較を行った結果、主要評価項目の無再発生存期間に差は認められなかった。同社はこの結果を3月に公表しているが、適正使用の観点から医療者向けに改めて注意喚起した。