英当局 GSKの捜査を開始 中国がらみか?
公開日時 2014/06/03 03:50
英グラクソ・スミスクライン(GSK)は5月27日、英国・重大不正捜査局(Serious Fraud Office:SFO)から同社に対して、同社グループの商業的慣行について正式な犯罪捜査を開始すると連絡があったことを明らかにした。同社は、さらに、「GSKは最も高い倫理基準に則って業務を行い、SFOの捜査には十分に協力し続ける」意向を示した。
GSK、SFOともに開始する犯罪捜査の内容については明らかにしていない。SFOは、重大な汚職や経済的不正行為の捜査および訴追を担当する英司法省の傘下にある独立機関である。
しかし、このSFOの捜査は、GSKが、昨年、中国で旅行代理店を通じて、官僚や医師らに金銭、物品などを提供、贈賄を行ったとされる問題が尾を引いているだけに新たな展開かと注目されている。
中国の贈賄事件では、2013年6月に中国当局が捜査を開始、2014年5月半ばにGSK中国の幹部Mark Reily氏ほか2人を起訴した。昨年の中国の賄賂事件発覚後、ポーランド、ヨルダン、レバノンで同社社員による同様の贈賄が行われたとする疑惑も明るみになった。
米ブルームバーグ通信やロイター通信、BBC放送などによると、英国政府当局が「賄賂法」(Bribery Act:2010年施行)に則りGSKの不正に対して捜査に乗り出すのは時間の問題だとみられていた。英国の「賄賂法」は、米国の「海外不正行為法」(Foreign Corrupt Practices Act)と同じように、海外のビジネスで成功することを目的に官僚や政府機関の医師に物品・金銭を贈ることを禁じている。
消息通の弁護士らは、SFOによる捜査で起訴ということになるとGSKは罰金を支払うことになるという。シティ(ロンドン)のアナリストらは、その結果、GSKの業績には影響を与えないとしながらも、株価に大きな影響を与えるのではないかとみている。