JCRファーマ GVHD治療薬フェーズ2/3 効果確認
公開日時 2014/03/12 03:51
JCRファーマは3月10日、骨髄移植など造血幹細胞移植時に発生する重篤な合併症のひとつ移植片対宿主病(GVHD)の治療薬として同社が開発中の「JR-031」についての国内フェーズ2/3結果が、第36回日本造血細胞移植学会総会(3月7~9日)で報告されたと発表した。
発表によると、ステロイド抵抗性の重症急性GVHD(grade III- IV)を発症した25例にJR-031を投与したところ、4週後の時点で完全反応(症状がすべて消失)または部分反応(症状の部分的消失)が15例(60%)に認められた。25例中12例(48%)においては、初回投与時から24週までの期間に、急性GVHDが再燃することなく28日間以上継続する完全反応が認められた。治験期間中、問題となる有害事象は認められず、高い忍容性が確認された。
GVHDは、移植された造血幹細胞を異物とみなして攻撃する疾患で、ステロイド抵抗性急性GVHDには確立した治療法はなく、死亡率は70%に達するという。それに対し同剤は、ヒト間葉系細胞が持つといわれる免疫抑制作用を生かして効果を発揮する細胞医薬品として開発が進められている。同社のホームページによると、現在承認申請準備中。
なお、同社は旧・日本ケミカルリサーチで、1月に会社名を変更した。