FDA 慢性C型肝炎治療薬・ソホスブビル承認 IFNフリーの初の経口薬に
公開日時 2013/12/12 03:50
米食品医薬品局(FDA)は12月6日、ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬Sovaldi(一般名:ソホスブビル)400mg錠について、慢性C型肝炎(HCV)を適応として承認した。Sovaldiは、インターフェロン(IFN)と併用せずに特定のタイプについて有効性・安全性を示した薬剤となった。ジェノタイプ2型については、リバビリンとの併用のみですべて経口薬のみでの治療も可能となる。
Sovaldiは、C型肝炎ウイルスが複製するために必要な特定のタンパクをブロックする経口ヌクレオチドアナログポリメラーゼ阻害剤。リバビリンとの2剤併用あるいは、リバビリン+PEG-IFNとの3剤併用で使用される。
同剤の安全性・有効性は、未治療患者あるいは前治療が奏功しなかったHCV感染患者1947例を対象とした6件の臨床試験で検証された。主要評価項目は治療12週後のSVR(持続的ウイルス学的著効)値とした。Sovaldiを含むレジメンでは、HCVの複数のタイプに有効なことを示した。加えて、IFNをベースとした治療に忍容性のない患者あるいはIFNをベースとした治療を受けている患者、および肝移植を待機している患者に有効性を示した。
主な副作用は、Sovaldiとリバビリンの2剤併用では疲労感、頭痛で、 Sovaldi+リバビリン+PEG-IFNの3剤併用では、疲労感、頭痛、悪心、貧血、不眠症だった。
Sovaldiは、FDAの画期的新薬指定(Breakthrough Therapy Designation)を受けた3剤目の薬剤となり、優先審査の対象にもなった。11月22日に承認された米・ヤンセンファーマシューティカルズ社のOlysio(一般名:シメプレビル)に次ぐ慢性C型肝炎治療薬で、2週間でC型肝炎治療薬が2剤承認されたことになる。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌剤製品部長は、「本日の承認は、C型肝炎患者の治療パラダイムを大きく変えることを意味している」とSovaldiの登場を歓迎した。
Sovaldiは、米ギリアド社(カリフォルニア州フォスターシティ)が販売する。ギリアド社のJohn C Martin 会長兼CEOは、「SovaldiがC型肝炎治療の新時代の先駆けとなることを望んでいる」と述べたうえで、「ギリアドがこの医学的に重要な進歩をもたらす役割を果たしたことを誇りに思う」と話した。