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米メルク 2015年末までに1万6000人削減  日本への影響「現時点ではわからない」

公開日時 2013/10/07 03:51

米メルクはこのほど、新たな事業再構築計画を発表した。2015年末までに全世界で年間経費を約25億ドル削減するため、これまでに発表していた約7500人の人員削減(11年7月発表、15年末までの計画)に加えて、新たに約8500人を削減する。これにより15年末の全世界の従業員数は、現在の8万1000人から約20%減少することになる。日本法人であるMSDの広報部は本誌に、「11年発表の人員削減では日本に直接的な影響はなかった。今回の削減計画がどのような形で日本に影響するかは現時点ではわからない」とコメントしている。

メルクは2009年のシェリング・プラウの吸収合併以降、成長市場・成長分野への投資の強化や人員数の最適化を進めているが、近年の人員削減の主因のひとつには、最主力品のひとつである喘息治療薬シングレアの特許切れがある。シングレアは11年に全世界の売上げが約55億ドルだったが、12年8月の米国特許切れの影響で売上が38億ドルに減った。さらに13年2月には欧州で特許切れし、売上減が加速している。日本の特許切れ時期について同社は開示していないが、野村證券のレポートによると、2017年とみられる。

新たな事業再構築計画では、年間経費約25億ドルの削減のうち、その40%に相当する10億ドルの削減を14年中に行う。コスト削減は主に販売管理費、一般管理費、研究開発費を対象とする。一方で、事業再構築計画による費用(税引前総費用)は25~30億ドルかかり、この約3分の2が退職金支払いなどの現金支出、残り約3分の1が不動産施設の閉鎖や売却に伴う加速償却に関連する非現金支出になるという。

がん抗体療法「MK-3475」などに経営資源集中

研究開発関係では「優先開発プログラム」として、PD-1を標的としたがん抗体療法として開発中の「MK-3475」(日本の開発ステージ:非開示)、アルツハイマー病BASE阻害薬「MK-8931」(P2)、次世代HCVプログラム、9価HPVワクチン「V503」(P3)などを挙げている。バイオ医薬品分野の社内体制も整備する。開発パイプライン戦略では、製品導入などによって社外の開発プログラムの比率を高める。

また、同社の注力疾患領域は糖尿病、病院における急性疾患治療、ワクチン、がん――などを挙げている。一方で、注力分野以外では後期開発品であっても、導出や開発中止を検討する。

今後、経営資源を集中する「優先市場」には日本のほか、米国、フランス、ドイツ、カナダ、英国、中国、ブラジル、ロシア、韓国――の計10か国を挙げているが、これらの国で人員削減を行わないとは記載していない。

 
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