ノバルティス 骨髄線維症治療薬のルキソリチニブを承認申請 真性多血症でP3も進行中
公開日時 2013/10/08 03:50
ノバルティスファーマはこのほど、ルキソリチニブ(開発コード:INC424)について、骨髄線維症の適応で承認申請したと発表した。米インサイト社が創製したチロシンキナーゼ阻害薬で、ノバルティスが米国外での開発や商業化のライセンスを取得したもの。欧米など45カ国で承認済みで、国内でも2011年に希少疾病用医薬品の指定を受けている。
骨髄線維症は、骨髄の線維化によって血液産生が妨げられる進行性の血液がんで、国内の推定患者数は1500人とされる。発症には血球産生を調節するJAK経路の恒常的な活性化が関与しており、ルキソリチニブは、そのJAK1/JAK2を標的とする。
骨髄線維症の治療としては、同種造血幹細胞移植で予後の改善効果が確認されているが、移植関連死亡率が3~4割前後とされるなど、治療リスクも高い。薬物治療については、近年、分子標的薬のサレド(一般名:サリドマイド)やレブラミド(レナリドミド)が使用できるようになり、積極的な多剤併用療法が行われている。ただ、脾腫や貧血の改善など症状緩和が目的となっており、予後の改善効果は不十分とされる。
ルキソリチニブの申請は国際フェーズ2試験(P2)に基づくもので、このP2では治療による脾臓の縮小効果を検討した。結果は年内にも公表される予定。同薬については、真性多血症を対象とした国際フェーズ3試験も進行中で、日本も参加している。