2糖尿病患者 合併症が不安8割超 でも血糖管理の意識低く
公開日時 2013/04/11 04:01
食品や医薬品などの市場調査を行っている総合企画センター大阪が実施した調査によると、2型糖尿病患者は、将来の合併症への不安を持つ一方で、血糖管理に対する問題意識は低いことがわかった。この調査の結果は、ノバルティスファーマがこのほど開催したメディアフォーラムで紹介された。
調査は2012年10月に実施された。方法はインターネット調査。対象は、通院・服薬中の2型糖尿病患者(30~60歳代)602人。
対象者の治療年数は5年未満が32.4%、5~10年が35.4%、11年以上が32.1%。薬物治療の内訳は、内服のみで治療中の患者が75.2%、内服薬とインスリンなどの注射薬との併用患者が13.8%、注射薬で治療中の患者が11%だった。直近の血糖管理状況は、HbA1c6.2%未満23.4%、6.2 ~6.9%未満31.2%、6.9~7.4%未満21.9%、7.4~8.4%未満15.8%、8.4%以上が6.3%で、血糖コントロール指標で「可(ただし不十分)」とされている7.0%未満で管理されている患者が約半数にとどまる。
薬物治療の意義について聞いたところ、全体の82.3%が合併症予防を挙げた。その内訳は腎症や神経障害、網膜症など細小血管障害予防が71.3%、大血管障害予防が11.0%だった。将来の合併症発症に対する不安があるかどうか問うと、「人工透析を受ける」「脳梗塞・心筋梗塞などで倒れる」「目が見えにくくなる、失明する」について、いずれも8割以上の患者が不安を感じていた。
一方で、内服薬での治療を行っている患者(注射薬併用含む、有効回答数528人)に満足度を聞いたところ、直近のHbA1cが良好な患者ほど満足度が高く、最も管理が良好なHbA1c6.2%未満の患者では「大変満足」と「少し満足」を合わせた「満足」の回答が94.6%を占めた。しかし、血糖管理が不良な6.9~7.4%未満でも9割が、さらに8.4%以上の患者でも7割近くが満足していた。このことから、血糖管理状況への問題意識が低く、将来の合併症リスクを意識していても、良好な血糖管理への行動に結びつきにくい実態が伺えた。