ロシュ・12年通期業績 リツキサンなど好調 診断薬も伸長し増収増益
公開日時 2013/02/05 04:00
ロシュは1月30日、2012年通期業績が売上高454億9900万スイスフラン(前期比7%増)、営業利益141億2500万スイスフラン(同5%増)、97億7300万スイスフラン(同2%)の増収増益になったと発表した。医療用医薬品のトップ3商品であるリツキサン、ハーセプチン、アバスチンがいずれも好調だったことや診断事業でもトータルでプラスに成長だったことが業績を牽引した。また、昨年、アメリカでの乳癌一次治療での適応を取り消されたアバスチンに関しては、ヨーロッパで進行卵巣癌の一次治療の承認を受けたことで再びプラス成長に転じた。
セグメント別の売上高は医療用医薬品事業352億3200万スイスフラン(同7%増)、診断事業102億6700万スイスフラン(同5%増)。
主要な医療用医薬品の売上高は抗CD20モノクローナル抗体(抗がん剤)・マブテラ/リツキサン67億700万スイスフラン(同9%増)、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体(抗がん剤)・ハーセプチン58億8900万スイスフラン(同10%増)、抗VEGFヒト化モノクローナル抗体(抗がん剤)・アバスチン57億6400万スイスフラン(同6%増)、ペグインターフェロン-α-2a製剤・ベガシス16億4900万スイスフラン(同12%増)、抗がん剤・ゼローダ15億2300万スイスフラン(同9%増)、加齢黄斑変性症治療薬・ルセンティス14億8100万スイスフラン(同8%減)、上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(抗がん剤)・タルセバ13億1400万スイスフラン(同2%増)、免疫抑制薬・セルセプト9億900万スイスフラン(同11%減)。09年にアメリカで特許が失効したセルセプトに関しては、直近の為替レートで換算するとブロクバスター圏外となった。なお、製品別の売上高についての前期比増減のみ為替調整ベース。
一方、グループ会社である中外製薬の業績となる日本の医療用医薬品売上高は41億800万スイスフラン(日本円ベースで前期比2%増)でロイヤリティー収入も含めた売上高は41億7100万スイスフラン(同8%増)、営業利益8億500万スイスフラン(同36%増)となった。
ロシュの21012版アニュアルレポートでは,「薬価引き下げに伴う影響の6%減があるにもかかわらず増収を達成した」と評価した。