杏林製薬 気管支喘息治療薬KRP-108を国内申請 1日2回のICS/LABA
公開日時 2012/09/27 04:01
キョーリン製薬ホールディングスは9月25日、子会社の杏林製薬が気管支喘息治療薬「KRP-108」を日本で承認申請したと発表した。申請は25日付。KRP-108は、吸入ステロイド薬(ICS)「フルチカゾンプロピオン酸エステル」と、長時間作用性β2刺激薬(LABA)「ホルモテロールフマル酸塩」の微粉末を懸濁した定量噴霧式吸入製剤で、1日2回吸入タイプ。杏林は2008年に、創製元の英国スカイファーマ社から日本国内の独占開発・販売権を取得し、開発を進めていた。
杏林は呼吸器領域を重点領域のひとつに位置付けており、▽気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療薬キプレス▽気道粘液調整・粘膜正常化薬ムコダイン――の2剤で同社売上の5割以上を占める。同社はKRP-108の早期承認取得に取り組み、呼吸器領域の製品ラインナップを拡充させる。
◎COPDはLAMAの単剤と配合剤で
同社は本誌に、「KRP-108については現時点で、COPDでの開発予定はない」とコメントした。同社ではCOPDを予定適応症とする開発品として、長時間作用型ムスカリンM3拮抗薬(LAMA)「アクリジニウム」と、LAMAアクリジニウムとLABAホルモテロールの配合薬「KRP-AB1102F」があり、12年度中にアクリジニウムはフェーズ3を、KRP-AB1102Fはフェーズ2を始める計画。
LAMAは、軽症から重症を含めた安定期のCOPDの管理に用いる第一選択薬として推奨されている。日本市場でLAMAのCOPD治療薬はスピリーバのみ、ICS/LABA配合のCOPD治療薬はアドエアとシムビコートが販売されている。こういった市場環境や開発コストを踏まえて杏林は、LAMAの単剤と配合剤でCOPD市場に参入する決定をしたものとみられる。