NICE最終ガイダンス リバーロキサバンを推奨
公開日時 2012/05/28 04:00
英国立臨床評価研究所(NICE)は5月23日、独バイエルヘルスケアのファクターXa阻害剤Xarelto(リバーロキサバン)について、心房細動に伴う脳卒中および全身塞栓症の予防の適応での使用を推奨する内容の最終ガイダンスを発表した。
ガイダンスでは、リバーロキサバン治療を開始する際には、医師と患者でワルファリンと比較した場合のメリットとデメリットを話し合うこと、およびワルファリンを服用している患者については、患者のリバーロキサバンに変更した場合のリスク、ベネフィットをプロトロンビン時間国際標準比(INR)管理の観点から考慮することを求めた。
NICEの評価委員会は、同剤の費用対効果については、望ましいICER(増分費用対効果比)を、製薬企業から提出されたリバーロキサバンによるQALY(質調整生存年)やリバーロキサバンやワルファリンでのモニタリングコストが不要なことなどをベースに算出、NHS(国民保健サービス)の資源を使用するのに適切と判断した。
同剤のNHSでの薬剤費は1日2.10ポンド、1年766.50ポンド。NHSが適用されるイングランドおよびウェールズでは心房細動患者は推定70万人。
NICEヘルステクノロジー評価センター(HTEC)のCarole Longson教授は、「ワルファリンを服用している患者は、凝固能の管理が難しいので、最近NICEが推奨したダビガトラン同様、リバーロキサバンは心房細動患者にはメリットがある。従って、心房細動患者における脳卒中と全身性塞栓症の予防の費用対効果の高いオプションとしてリバーロキサバンを喜んで推奨したい」と話した。