認知症の世界を疑似体験
公開日時 2012/05/28 04:00
シャツのボタンをはめようと必死になっているのに、感覚が鈍くなった指先はボタンホールを探り当てることもできず、いつまで頑張ってもボタンがはめられない。階段を降りようとして見下ろすと、階段が大きく歪んで見え、脚がすくんで動けなくなってしまう。表通りのパトカーのサイレンや隣の公園で駆け回る子どもの声が堪え難いまでに大きく耳の中で響き、その雑音に邪魔されて、同じ部屋にいる人の話し声がうまく聞き取れない。(医療ジャーナリスト:西村由美子)このような認知症患者の日常感覚を追体験し、患者の苦悩・苦労への理解を深めてもらうおうというツアーが企画され、好評を博した。この「『認知症』体験ツアー」を主催したのはカリフォルニア州サンタクララにある高齢者介護施設PacificaGardensAssistedLivin...