協和発酵キリン パーキンソン病治療薬「KW-6002」を承認申請 13年頃に上市期待
公開日時 2012/04/04 04:00
協和発酵キリンは4月2日、パーキンソン病を適応症として開発していた「KW-6002」(一般名:イストラデフィリン)について国内で承認申請を行ったと発表した。同剤はパーキンソン病治療薬としてはアデノシンA2A受容体という新規の作用機序をもつ化合物。同社では13年頃の上市を期待しているという。
承認されれば、協和発酵キリンにとっては、ぺルマックス(経口剤)、イーシー・ドパール(経口剤)、アポカイン(皮下注、今年3月30日に承認取得)といったドパミン受容体作動薬に次ぐ4製品目のパーキンソン病治療薬となる。
国内のパーキンソン病患者数は約15万人、治療薬の市場規模は約700億円(薬価ベース)。KW-6002はドーパミン受容体作動薬で治療を受けていた患者で、途中で効果がなくなった患者への新たな選択肢として期待されるという。
同剤の国内での臨床試験成績によると、レボドパ製剤(脳内にドパミンを補充する治療薬)治療下のパーキンソン病患者で症状の改善が認められ、忍容性が確認されている。
KW-6002は協和発酵キリンが07年4月に米FDAに承認申請し、当初08年の上市を期待し、大型化が期待された候補品。しかし、同社は08年2月にFDAから「現時点では承認不可」との審査状況通知を受領したと発表。臨床的有用性を証明するにはデータが不十分とし、追加試験のデータなどを求められていた。
その後、10年にはバイオベールコーポレーション(カナダ)の子会社バイオベールラボラトリーズインターナショナル社に北米での開発・販売権を導出。しかし、同社の他社との合併による開発方針の変更に伴い、協和発酵キリン側に開発・販売権が戻された状況になっている。同社では「今後もパートナーを探していく」とコメントしている。