FDA アービタックスの転移頭頸部がん適応を承認
公開日時 2011/11/17 04:00
米食品医薬品局(FDA)は11月7日、分子標的抗がん剤アービタックス(セツキシマブ)について、末期(転移)頭頸部がんを適応に化学療法との併用での使用を承認した。
同剤の承認となった多施設臨床試験では手術不能あるいは転移のある、化学療法の治療歴のない442例を対象に安全性・有効性が検証された。患者はセツキシマブとシスプラチンあるいはカルボプラチンおよび5-FUによる化学療法との併用群とシスプラチンあるいはカルボプラチンおよび5-FUによる化学療法のみの投与群に割り付けられた結果、化学療法のみの群では生存期間中央値が7.4か月だったのに対し、セツキシマブと化学療法併用群では10.1か月となった。
FDA医薬品評価研究センター(CDER) のRichard Pazdur血液・腫瘍製品部長は、腫瘍医は頭頸部がんには複数の治療法に依存していると現状を述べたうえで、「手術や放射線で治療不可能な悪性の頭頸部がんに対して、出来る限りオプションが増えるのは重要なこと」と同剤の新適応を歓迎している。
NCI(国立がん研究所)によると、米国では、頭頸部がんは全がん種のなかで3-5%程度だという。同剤は2006年に非転移頭頸部がんを対象として化学療法との併用および単剤(標準治療後)として承認されている。同剤が初めて承認されたのは2004年で、EGFR陽性の末期大腸がんの適応。同剤は、米国では、ブリストル・マイヤーズスクイブとイーライリリーが共同販促を行う。