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FDA 悪性黒色腫治療薬vemurafenibとコンパニオン診断薬を承認

公開日時 2011/08/22 04:00

米食品医薬品局(FDA)は、8月17日、米ジェネンテックの転移もしくは切除不能の悪性黒色腫治療薬Zelboraf(vemurafenib)とロシュ・モルキュラー・システムズの同剤のコンパニオン診断薬であるcobas 4800 BRAF V600E Mutation Testを承認したと発表した。


同剤の適応は、BRAFタンパクのV600E と呼ばれる遺伝子変異陽性の転移もしくは切除不能の悪性黒色腫。
BRAFタンパクは、細胞の成長の調整に関与、後期ステージの悪性黒色種の約半数にその変異がみられる。Vemurafenibは、V600E が変異したBRAFタンパクの機能を阻害するBRAF阻害剤。同剤の安全性・有効性は、後期ステージの悪性黒色腫患者675例を対象とした臨床試験で検証され、良好な成績を上げた。


今回、同時に承認されたコンパニオン診断薬のcobas 4800 BRAF V600 Mutation Testは、悪性黒色腫患者がBRAF V600E陽性かどうかを同定することが可能で、個人化医療の薬剤と診断薬が同時に承認された格好となった。FDAは、cobas 4800 BRAF V600 Mutation Testの承認はvemurafenibの臨床試験のデータが基礎になったとしている。同試験での患者の黒色腫組織が遺伝子変異のテストのために採取された。


ジェネンテックおよびロシュ・モルキュラー・システムズともにロシュグループであり、医薬品部門と診断薬部門双方を持つ同社グループの強みが生かされたといえる。FDA医療機器・放射線保健センター(CDRH)のAlberto Gutierrez体外診断機器評価・安全部長は、今回のvemurafenibとcobas 4800 BRAF V600 Mutation Testの承認について、「コンパニオン診断薬がどのようにして患者に安全な方法で有効性が高い、個人化医療の提供を保証するかを示した好例」と個人化医療の一層の具体化になるとの考えを示した。


FDAは今年7月にコンパニオン診断薬開発の促進を目指して、コンパニオン診断薬のガイダンス案を発表、現在、パブコメを募集中だ。同剤は、ロシュと第一三共の子会社Plexxiconが共同開発し、ロシュが8月15日、中外製薬に導出したことを発表、中外製薬が国内での開発・販売の権利を獲得した。
 

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