FDA Cymbaltaの効能追加 医師の裁量に依存
公開日時 2010/09/03 04:00
FDAは、イーライリリーのCymbalta(duloxdetine)の添付文書が改定され、一部慢性疼痛が追加されたが、FDA麻酔・生命維持薬諮問委員会の一部委員は、試験が実施されていない慢性疼痛にも適応の道を開くものとの懸念を示した。
同剤は、薬局レベルでの処方箋の3分の2は適応外使用で、14%が慢性疼痛だったことから、すでに現場で使用され、大きなリスクもないとの判断からFDAは同適応を追加した。しかし、諮問委員会(14名)では、適応拡大に賛否は8対6、有効性については8対5で棄権1、変形性関節症については9対4で棄権1との評決だった。結果的に慢性疼痛は広範囲にわたっており、使用の判断は現場の医師に大きく任されることになった。
FDA担当官は情報不足を認め、諮問委の立場に理解を示している。しかし、FDAは、NSAID(非ステロイド抗炎症薬)に不忍容の患者やオピオイド依存のリスクを考慮し、バランスを取らなければならないとの考えを示し、今回の判断に理解を求めている。
FDA担当官は、諮問委の懸念を払しょくするために、できる限り、適応範囲を狭めるよう添付文書の表記を工夫することを考えていると話している。
(The Pink Sheet 8月23日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから