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薬価研・長野委員長 新薬創出加算の導入 「大変良かった」

公開日時 2009/12/28 04:02

日本製薬団体連合会・保険薬価研究委員会の長野明委員長は12月25日、東京都内で記者会見し、一定要件を満たせば薬価改定を経ても薬価を維持できる新ルール「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」が10年4月に試行的に導入されることについて、「大変良かったと率直に感じている」と述べた。同加算導入による財政影響を緩和するため今回は長期収載品を一律2.2%引き下げることとなったが、長野委員長は、同加算は日本の薬価制度60年の歴史上初めて薬価が維持できるものであることを指摘。医薬品の価値に関わらず、政策的に循環的に薬価が下がる仕組みに風穴を開けたとの認識を示した。

一方で、長期収載品が一律2.2%引き下げることで政治決着したことについては、「長期収載品比率の高い企業には大変なご迷惑をかける」とし、「個別企業に大変申し訳なく反省している。(中医協専門委員としても)力及ばずというところだ」「忸怩たる思いがある」などと話した。同加算に要する費用が高すぎるとの理由から、同加算の対象医薬品の一部に改定前薬価まで戻りきらない仕組みが組み込まれたことに関しては、「財政や試行的導入にあたっての決着。薬価維持特例と同じ内容のものを12年度に本格導入することに向けて、この2年間やっていく」と述べ、業界が目指す同加算の12年度本格実施の際には、同加算の全対象品目が改定前薬価まで戻る仕組みになるよう取り組む考えを示した。

また、12年度の本格実施に向けて、「(同加算で得られた)原資を本当に、国民や患者と約束した未承認薬や未承認適応に使っていただきたい」と製薬各社に訴えた。薬価研としても今回の試行内容を検証できるデータを取りまとめる考えを示した。

10年4月の薬価改定での同加算の対象医薬品は、乖離率が8.41%以内の特許期間中の新薬となる。ただ、改定前薬価の水準まで戻る新薬は乖離率が7.13%までのもの。7.14%から8.41%の新薬は7.13%までしか戻らない。これは加重平均乖離率8.41%に調整幅2%を引いた6.41%に0.8掛けした数値(5.13%)を加算の上限にする仕組みに伴うもの。

同加算は革新的医薬品の研究開発の促進や、未承認薬・未承認適応問題に代表されるドラッグラグの早期解決を目指す新ルール。薬価改定の際に一定要件を満たす特許期間中の新薬は、薬価を維持して研究開発費の回収を早め、次の研究開発を加速させるのが狙い。薬価維持によってかかる費用は後発品の使用促進で相殺させる。ただ、今回は、後発品が当初計画より進んでいなかったため、長期収載品の一律2.2%引き下げを行うこととなった。

 

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