Meiji Seika ファルマ 新型コロナ教訓に「未来まで守れ。」 CMに込めた国産ワクチンへの使命感
公開日時 2025/03/12 04:52

「未来まで守れ。」―。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を教訓に、次なる感染症への備えがすでに始まっている。次世代の国産ワクチン作りを担う企業として、Meiji Seika ファルマはその使命感をコーポレートCMで表現した。シンプルな映像とメッセージで訴えかけるCMにはSNSで大きな反響も広がった。実際、現在進行形で国産ワクチンの開発・製造体制の確立を進めている同社の思いをMeiji Seika ファルマ広報の皆さんに聞いた。
新型コロナでは、2020年1月に国内初の感染が確認されて以降、瞬く間に感染が広がった。緊急事態宣言が繰り返し出され、日常生活は一変し、街からは人が消えた。行く先の見えない不安感や言い知れぬ恐怖感が世界中を覆った。当時を忘れることなく、次のパンデミックに向けた歩みを止めてはならない。こうした企業としての決意がCMには込められているという。同社広報担当者は「今後、次の新しい感染症がいつ発生するかわからない。それに備えるためにワクチンの研究開発や生産拠点の整備をやっていくことは欠かせない。まさに未来からの視点で、国民を守るための取り組みなんです」と強調する。
◎シンプルでストレートなメッセージで「伝えたいことをまっすぐ届ける」
CMではジャングルから田園風景、外国を思わせる地方都市の空撮を経て、日本へ。まさにコロナ禍で見てきたように、感染症が一瞬で世界中に広がっていく様子を描いた。そこに重ねたのが「次世代の国産ワクチンをつくる。」などのシンプルでストレートなメッセージだ。CMを構成する上で「伝えたいことを言葉でまっすぐに届けよう」(同社広報)というこだわりが込められている。
◎Xの公開半日で50万回超再生 「日本発で世界を支えて」 SNSで広がる反響
制作は新型コロナワクチンの定期接種が始まる2024年10月に向けて行われ、11~12月に地上波などで放映された。短い放映期間ながら反響は大きく、X(旧twitter)の公式アカウントに掲載したCMの再生回数は公開半日で50万回を超えた。「日本発で日本や世界を支える企業となるよう応援しています!」「社会を助ける縁の下の力持ち」「心意気に感銘を受けた」。国産ワクチンの開発・生産を打ち出した内容にコメントも多く寄せられた。同社広報は「国産ワクチンの重要性はなかなか伝わりづらいところがある。でも我々の取り組みを理解してくれ、必要性を感じてくれる反響が寄せられて、涙が出るほど嬉しかった」と振り返る。
◎原薬から製剤まで国内一貫体制を整備 「画期的なワクチンを継続供給する」
CMで宣言した通り、同社では国産ワクチンの研究開発や製造販売に向けた体制整備が進む。mRNA医薬品・ワクチンの受託開発製造(CDMO)事業を展開するARCALIS(福島県南相馬市)とも提携し、原薬製造や製剤化の拠点を構築。1月30日には次世代mRNAワクチン・コスタイベの国内製造所追加に関する一部変更承認を取得し、原薬から製剤まで国内で一貫して生産できる体制を整えた。今後も研究開発での連携や生産力の強化に努めていくとして「一気通貫のバリューチェーンを築き、画期的で有用なワクチンを継続的に供給していく」と意気込んでいる。