エーザイ 米バイオジェンとの認知症新薬の開発、販促 日本でも共同で
公開日時 2014/05/12 03:50
エーザイは5月9日、米バイオジェン・アイデックと契約を交わしている2つのアルツハイマー型認知症治療薬の共同開発・共同販促について、日本でも実施することになったと発表した。日本でも研究開発費を両社で分担する。
3月に発表した契約では海外では両社共同で実施するが、日本での共同展開はオプション権扱いになっていた。今回、共同開発・共同販促を行う地域に日本を追加する権利を行使した。エーザイは、米バイオジェンから一時金、共同開発の進捗に応じたマイルストンを受領する権利を持つことになる。2018年以降に日米欧での同時承認申請を目指すが、販売後の売上はエーザイに計上し、利益は両社で分配する。
2つの新薬候補は、認知症の進行を遅らせるエーザイのアリセプトとは異なり、病状の進行を止め、症状改善の効果を期待するもの。低分子経口薬「E2609」(欧米でフェーズ2準備中)と抗体医薬「BAN2401」(欧米でフェーズ2、日本でフェーズ1)で、患者の脳に形成され、アルツハイマー病の発症と関係しているとみられるタンパク質アミロイドβ(Aβ)凝集体を減少させ、新たな凝集体の形成を阻害することで効果を発揮すると考えられている。
エーザイによると、両剤の製品化までの開発費として約1500億円を見込む。