厚労省 薬事審・部会にコラテジェン申請取下げを報告 企業の自主的対応「行政から何か言う立場にない」
公開日時 2024/07/22 04:51
厚生労働省は7月19日に開催した薬事審議会再生医療等製品・生物由来技術部会に、アンジェス社がHGF遺伝子治療用製品・コラテジェンの条件及び期限付き承認の解除に向けた申請を取り下げたと報告した。これに伴い6月27日付で製造販売承認は失効した。この日の部会では、アンジェス社の申請資料とそれを受けた PMDAの審査報告書の説明を踏まえ、「本品については、有効性が推定されるとした条件及び期限付承認時の判断は否定されないものの、非盲検下で実施した市販後調査では二重盲検の国内第3相臨床試験成績を再現できなかった」ことで意見交換を行った。同省は部会終了後に記者ブリーフを行ったが、コラテジェンをめぐる出席委員の発言は明らかにしなかった。
コラテジェンは国内における条件及び期限付き製造販売承認を2019 年3月に取得、2023 年5月にアンジェス社は「発売時より実施した製造販売後承認条件評価の使用成績比較調査での集計結果が、従前申請の治験結果の再現性が確認できた」と公表し、条件解除に向けた申請を行っていた。ところが、6月24日付の同社プレスリリースで、「非盲検下で実施した市販後調査では、二重盲検の国内第3相臨床審成績を再現できなかった」として申請を一旦取り下げると公表。条件及び期限付承認の期限満了を控えていたことから、正式承認を受けず販売を終了すると発表していた。
この日の部会では、アンジェス社の申請資料とそれを受けたPMDAの審査報告書の内容を踏まえて意見交換を行った。部会後のブリーフで同省は、アンジェス社が当初(23年5月時点)示した再現性が6月24日付のプレスリリースで「再現できなかった」と変えたことに対する質問に応え、「見解が変わったことについての受け止めについては、どのようにしようとも、同社の自由なのかなというふうに考えている」と指摘。一連の動きは企業側が自主的に対応したもので、「少なくとも我々(行政)から何か言う立場にはない」と強調した。
一方で、この日の部会における出席委員の発言については、「具体的な議論でどんな意見があったかということについては、(同省ホームページに掲載した)概要以上のことはお伝えできない。申請取り下げに対する意見はなかったかどうかについての言及も差し支えたい」とコメントした。