ミトコンドリアは生物の世界を操る陰の支配者なのだ
公開日時 2012/08/30 00:00
イーピーエス株式会社榎戸誠オンコロジーMRの必修科目分子生物学の最新情報に通じているMRと、そうでないMRとでは、そのMR活動に大きな差が生じてくるだろう。まして、オンコロジーMRにとっては必修科目といっても過言ではないだろう。この意味で、『ミトコンドリアが進化を決めた』(ニック・レーン著、斉藤隆央訳、みすず書房)は、少々手強いが、挑戦しがいのある魅力的な参考書である。ミトコンドリアが細胞内に住み込んだ理由ミトコンドリアは、かつては自由に生活していた細菌だったが、20億年ほど前、自分より大きな細胞の中での生活に適応し、細胞小器官(特定の仕事だけをする微小な器官)となって現在に至っていることは、よく知られている。すなわち、ミトコンドリアは、共生体(他の生物と互恵的な関係を持つ生物)として宿主細...