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循環器官用剤 降圧薬、抗凝固薬が牽引も、狭心症、不整脈治療薬は縮小へ 富士経済調べ

公開日時 2012/06/04 04:00

 

富士経済はこのほど、循環器、消化器科疾患などの医薬品市場の将来動向や予測についてまとめ、公表した。循環器用薬剤市場は全体としては2020年に11年比14.7%(1兆5631億円)と伸長するが、疾患別にみると、降圧薬や抗凝固剤・ヘパリン製剤が成長する一方で、狭心症治療剤や不整脈治療剤は市場の縮小が予想され、市場動向に差がみられると指摘している。消化器疾患治療剤については6430億円(11年比5.8%増)に拡大すると分析した。


◎降圧薬、抗血小板剤・末梢血管拡張剤、狭心症治療剤など8領域を分析

循環器官用剤のなかで最も規模が大きく、6割を占める高血圧症治療剤。その推移をみると、20年には市場規模は11年比10.0%増の9960億円と予測。理由として、これまでの主力だったCa拮抗剤はジェネリック医薬品やARBの配合剤の攻勢により、縮小している一方で、ARBと利尿剤、またはCa拮抗剤の配合剤が相次いで発売され、拡大要因になっているとした。

 

また、抗凝固剤・ヘパリン製剤も今後成長し、市場規模は11年比の2.8倍(176.0%増)となり、1137億円に拡大すると予測。成長の牽引役は、11年に抗凝固剤の新薬として発売されたプラザキサ(NBI)で、初年から大幅に実績を伸ばしたことで、11年の市場規模は前年比26.0%増の412億円と急伸した。今年4月にはイグザレルト(バイエル薬品)が発売され、当面は2ケタ成長が続くとの見方を示した。

新薬の開発が盛んで、今後も新薬の登場が期待される肺高血圧症治療剤は、11年の市場規模は282億円と決して大きくないが、20年には11年比68.4%増の475億円に拡大すると予測した。

 

高血圧症治療薬や抗凝固剤・ヘパリン製剤と対照的なのが、狭心症治療剤、不整脈治療剤。ジェネリック医薬品のほか、他剤への切り替えの影響を受け、縮小されると予想。狭心症治療薬剤の市場規模は20年には11年比18.1%減の615億円、不整脈治療剤市場は2.9%減の464億円。心不全治療剤市場は4.4%減の434億円になるとした。

 

消化器疾患治療剤は、消化性潰瘍等治療剤、肝疾患治療剤、胃食道逆流症等治療剤など11品目を対象に分析。11年は前年比0.1%減の6076億円だったが、患者数が増加傾向にあり、成長性の高い市場との見方を示している。

 

同市場の過半数を占める消化性潰瘍等治療剤は、H2受容体拮抗剤からの切り替えが進むPPI(プロトンポンプ阻害剤)が拡大を牽引してきたが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者数の減少やジェネリック医薬品の発売を受け、減少。20年には11年比19.8%減の2531億円に縮小するとした。

消化性潰瘍等治療剤に次いで規模の大きい肝疾患治療剤は、B型肝炎の患者数が増加している一方で、C型肝炎は治療によって治癒する患者が増えているため縮小しており、全体では20年に11年比25.3%増の1059億円に拡大すると予測。一方、炎症性腸疾患治療剤は患者数の増加や薬価の高い生物学的製剤の適応拡大、処方増により、11年は前年比20.2%増の429億円となった。20年には11年比70.9%増の733億円に伸長すると予測している。

 

 

 

 

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