GSK バイオ医薬品企業のAiolos Bio社買収 新規モノクローナル抗体「AIO-001」獲得で呼吸器領域増強
公開日時 2024/01/31 04:50
グラクソ・スミスクライン(GSK)は1月29日までに、バイオ医薬品企業のAiolos Bio社を買収したと発表した。Aiolos社は、米国サンフランシスコと英国ロンドンを拠点とし、臨床開発段階にあるバイオ医薬品を扱う医薬品企業として 2023 年に設立された。今回の買収でGSK はAiolos社の「AIO-001」を入手する。GSKは契約一時金として10億ドルを支払い、特定の薬事上のマイルストーン達成に応じて最大4億ドルを支払うことになる。
Aiolos社の「AIO-001」は、長時間作用型の胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)モノクローナル抗体で、ヒトのTSLPリガンドに結合することで、喘息を含む疾患における炎症の誘因に中心的な役割を果たすことが確認されている。Aiolos社は中国のJiangsu Hengrui Pharmaceuticals社(ハンルイ医薬)から「AIO-001」の独占的ライセンスを中華圏以外で取得していた。現在は、成人の喘息患者を対象とした第2相試験を開始できる段階にあるという。また、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎などの治療薬としても有望と考えられている。
GSKチーフ・サイエンティフィック・オフィサーのトニー・ウッド氏は、「今回の買収でTSLPを標的とした、ベストインクラスの治療薬となりうる可能性のあるAIO-001が加わることで、GSK の呼吸器における生物学的製剤のポートフォリオで対応できうる範囲が拡大する」と強調。「新しい治療選択肢が必要な重症喘息患者の40%を占めるType2炎症が優位ではない患者を治療対象としうる可能性がある」と述べた。