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アストラゼネカ 米原工場でソーラーパネル稼働 濱田本部長「バリューチェーン全体のカーボンネガティブへ」

公開日時 2022/04/18 04:51
アストラゼネカは4月15日、国内唯一の工場である米原工場に設営してきたソーラーパネルを稼働させ、竣工式を開催した。同社の濱田琴美執行役員オペレーション本部長は、「再生可能エネルギーの利用促進に加え、バリューチェーン全体のカーボンネガティブに向け、多くの企業が取り組む後押しになればと願っている」と挨拶した。ソーラーパネルから得られる年間の想定発電量は、同工場で使用される電力の約2割に相当する見込み。同社では、グローバル全体のCO2排出量のうち、約80%が工場から排出されており、ソーラーパネルの稼働は同社のサステナビリティを進めるなかで重要な位置づけとしている。

◎エネルギーの地産地消でさらなる環境負荷低減を目指す

米原工場ではこれまでも、エネルギー効率の高いコンプレッサの導入や照明のLED化を進めたほか、省エネ対策で削減できなかった電力を、温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証するJ-クレジットを購入。工場で消費した電力すべてを再生可能エネルギーで賄ってきた。ただ、同社は、J-クレジットでは、購入者にとって創出者の顔が見えず、本当に適切な方法で再生可能エネルギーを生み出しているのか疑問が残るとして、ソーラーパネルの導入に踏み切った。エネルギーの地産地消を進めることで、さらなる環境負荷の低減を目指す。

稼働したソーラーパネルは、工場の敷地8万6531㎡のうち、1万7386㎡を占める。計4580枚のパネルで、年間の一般家庭約450軒分に相当する約2050千kWhを発電する見込み。

米原工場は、1998年に操業を開始し、現在は約230人の従業員が勤務している。同社国内唯一の工場で、オンコロジー、循環器・代謝疾患、呼吸器・自己免疫疾患などの領域の38ブランドの薬剤について、包装や品質管理を行っている。21年には滋賀県が表彰する「しがCO2ネットゼロみらい賞」を受賞した。

同社では、日本を含むグローバル全体で、▽2025年までに自社事業から排出する温室効果ガスゼロ、▽2030年までにバリューチェーン全体で排出量より削減量が多くなるカーボンネガティブの達成-を目標とする「アンビション・ゼロカーボン」を掲げている。目標達成に向け、最大10億ドルの投資を行っており、今回の米原工場での取り組みもこの一環となる。
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