中外 甲状腺機能亢進症治療薬メルカゾールとプロパジール あすかに事業譲渡
公開日時 2015/04/06 03:50
中外製薬とあすか製薬は4月3日、中外が製造販売している抗甲状腺薬メルカゾール錠5mg、同注10mg(一般名:チアマゾール)と同プロパジール錠50mg(プロピルチオウラシル)をあすかに事業譲渡する契約を同日に締結したと発表した。契約に基づき、製造販売承認の権利を10月1日付であすかに承継する。円滑な販売移管に向け、両社で協業していく。2剤の売上は開示していない。
両剤の安定供給の観点から当面は中外の製品が流通するが、順次、あすかの製品に切り替える。
2剤とも甲状腺機能亢進症に対する標準治療薬。中外は今回の事業譲渡の理由について、「甲状腺疾患領域において将来にわたって最適な安定供給・情報提供体制を検討した結果、あすかに承継することが最適と判断した」としている。今回の事業譲渡により、中外が手掛ける甲状腺疾患関係の治療薬はなくなる。
あすかは、甲状腺機能低下症に用い、市場シェア9割のチラーヂンS(レボチロキシンナトリウム)を販売している。今回の承継により、あすかは甲状腺機能の亢進症と低下症の両方の医薬品を持つことになり、甲状腺疾患治療薬のラインナップ強化につながる。