協和キリンとAZ がん免疫療法で開発提携 より効果的ながん治療法を探求
公開日時 2014/07/31 03:51
協和発酵キリンと英アストラゼネカ(AZ)は7月30日、がん免疫療法に関する開発提携契約を締結したと発表した。協和キリンの抗CCR4ヒト化抗体モガムリズマブとAZの抗PD-L1抗体MEDI4736との併用療法、モガムリズマブとAZの抗CTLA-4抗体tremelimumabとの併用療法の2パターンについて、複数の固形がんを対象に開発を行う。より効果的ながん治療法を探求することで両社が一致した。
3つの開発品は、いずれも自己免疫システムを利用して抗がん効果を示すもの。がん免疫療法と呼称されるもので、新たなクラスのがん治療薬として期待されている。モガムリズマブはがん細胞を保護する免疫細胞を抑制する。MEDI4736とtremelimumabは、がん細胞の免疫システムによる探知を回避するシグナルを阻害する。
2つの併用療法について今後、有効性と安全性を検証するフェーズ1/1b試験を米国で共同実施し、2016年の試験完了を目指す。この結果を踏まえ、その後の開発方針を決める。開発費は両社で均等負担する。
AZのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーのBriggs Morrison氏は今回の契約締結にあたり、「免疫療法における併用療法はがん治療の最も効果的な方法のひとつである可能性があると信じている」とコメントした。
モガムリズマブは12年5月に、製品名「ポテリジオ点滴静注20mg」として、再発または難治性のCCR4陽性の成人T細胞性白血病リンパ腫治療薬として日本で発売された。海外では複数の臨床試験を実施中。MEDI4736は固形がんを対象に日本P1、海外P2段階にある。Tremelimumabは日本で固形がんを対象にP1、海外は中皮腫を対象にP2段階にある。