BMS 多発性骨髄腫薬エムプリシティ ポマリドミド、デキサメタゾン併用療法を申請
公開日時 2019/02/27 03:50
ブリストル・マイヤーズスクイブは2月26日、再発・難治性の多発性骨髄腫治療薬エムプリシティ(一般名:エロツズマブ(遺伝子組換え))について、ポマリドミド、デキサメタゾンとの3剤併用療法の用法用量を追加する承認申請を行ったと発表した。申請日は同日付け。ポマリドミドは免疫調節薬、デキサメタゾンは副腎皮質ホルモン製剤。
エムプリシティは多発性骨髄腫治療における初の抗体医薬。ヒトCD319に対する免疫グロブリンG(IgG)1サブクラスのヒト化モノクローナル抗体で、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を誘導することなどによって腫瘍の増殖を抑えるとされる。日本では現在、免疫調節薬レナリドミド、デキサメタゾンとの3剤併用療法が承認されている。
多発性骨髄腫は未だ寛解が難しく、治療が奏功しても、次第に効果がなくなり再発する可能性が高い。特に再発または難治性の多発性骨髄腫治療では、レナリドミド及びプロテアソーム阻害薬両剤に不応となった患者に対して、ポマリドミドとデキサメタゾンとの2剤併用(Pd)療法が一定の有効性を示すものの、再発に至る場合が多く、より効果的な治療薬が求められている。
今回の申請は、Pd療法に対してモノクローナル抗体の上乗せ効果を検討した世界初のランダム化試験「ELOQUENT-3試験」に基づく。最低9か月の追跡調査の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、エムプリシティ、ポマリドミド、デキサメタゾンの3剤併用(E-Pd)群は10.25か月、Pd群は4.67か月だった。ハザード比は0.54(95%信頼区間:0.34,0.86,P=0.0078)で、E-Pd群はPd群と比較して有意なPFSの延長が認められた。副次評価項目の奏効率(ORR)も改善した。
E-Pd群の安全性プロファイルは、「新たな安全性のリスクが加わることはなく、E-Pd群で発現したinfusion reactionはいずれも軽度で管理可能だった」としている。