薬食審 1月31日に第一部会 指定難病MELASの治療薬など2製品審議 塩野義のAD/HD薬は再審議見送りに
公開日時 2019/01/18 03:51
厚生労働省は、1月31日に新薬の承認の可否などを検討する薬食審・医薬品第一部会を開催する。大正製薬が承認申請した、脳卒中のような発作を繰り返す指定難病MELASの治療薬など2製品を審議する予定。前回の部会で継続審議となった塩野義製薬のビバンセカプセル(リスデキサンフェタミンメシル酸塩)については、まだ審議の準備ができていないとして、今回議題に上げず、次回以降に審議を見送ることになった。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽タウリン散98 %「大正」(タウリン、大正製薬):「ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群」を効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
この疾患は指定難病で「MELAS」と呼ばれる。ミトコンドリアの機能異常が原因で主に脳と筋肉が障害されて脳卒中様発作を繰り返す慢性の疾患で、効果的な治療法は確立されていないという。同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が高いと判断され、大正は厚労省から開発要請を受けていた。
▽フェインジェクト静注500mg(カルボキシマルトース第二鉄、ゼリア新薬工業):「鉄乏性貧血」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
スイスのビフォーファーマ社の開発品で、経口鉄剤が無効または使用できない鉄欠乏症の治療薬との位置付け。
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽ゴナールエフ皮下注用75、同150、同ペン300、同ペン450、同ペン900(ホリトロピン アルファ、メルセローノ):「生殖補助医療における調節卵巣刺激」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。
遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤で、体外受精で必要な卵子を得るのに用いる。メーカーによる公知申請。
▽イムラン錠(アザチオプリン、アスペンジャパン)
▽アザニン錠(同、田辺三菱製薬)
「自己免疫性肝炎」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。
追加する適応症について厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請が妥当と判断され、18年7月の薬食審・医薬品第一部会で公知申請が了承されていた。