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薬食審 1月30日に第二部会 ヤンセンの前立腺がん薬など3製品を審議

公開日時 2019/01/17 03:52

厚生労働省は、1月30日に新薬の承認の可否などを検討する薬食審・医薬品第二部会を開催する。経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬で前立腺がんを対象疾患とするヤンセンファーマのアーリーダ錠など3製品を審議する予定。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

アーリーダ錠60 mg(アパルタミド、ヤンセンファーマ):「前立腺がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
 
アパルタミドは、▽アンドロゲンがアンドロゲン受容体に結合するのを阻害する▽アンドロゲン受容体ががん細胞核内に移行するのを止める▽アンドロゲン受容体ががん細胞のDNAに結合するのを阻害する――との3つの方法でがん細胞の増殖を阻害する。経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬で、同阻害薬にはアステラス製薬のイクスタンジ(一般名:エンザルタミド)がある。
 
ファムビル錠250 mg(ファムシクロビル、旭化成ファーマ):効能・効果の単純疱疹に、再発型の用法・用量を追加する新用量医薬品。
 
口唇ヘルペスなど再発を繰り返すのが特徴の単純疱疹に対し、1回 につき、現在の承認用量の4倍にあたる1000mg を1日2回、1日間投与を追加する。再発型に対する用法・用量は旭化成ファーマとマルホが共同で開発した。単純疱疹については2013年2月に適応追加承認され、用法・用量は1回250mgを1日3回。
 
ヒュミラ皮下注40 mgシリンジ0.4 mL、同80 mgシリンジ0.8 mL、同40 mgペン0.4 mL、同80 mgペン0.8 mL(アダリムマブ(遺伝子組換え)、アッヴィ):「化膿性汗腺炎」を効能追加に追加する新効能・新用量医薬品。
 
承認されれば、日本で初めて化膿性汗腺炎の適応を持つ治療薬となる。化膿性汗腺炎は疼痛を伴う慢性的な炎症性皮膚疾患で、思春期以降に多く発症する。免疫の関与が示唆されている。皮膚の炎症症状が、わきの下や鼠径部、乳房、臀部などに頻発し、患者にとって疼痛や就業困難、QOLの低下などが引き起こされ、活動期の化膿性汗腺炎には特有の臭いがあり、患者に対する偏見につながることもあるという。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ジカディアカプセル150mg(セリチニブ、ノバルティスファーマ):用法及び用量を「450mgの1日1回食後投与」に変更する新用量医薬品。

現在の用法・用量は、750mgの1日1回空腹時投与。同剤服用患者に出現する主な副作用には悪心、嘔吐、下痢といった消化器症状がある。その多くは制吐剤や止瀉薬といった対症療法で管理可能ではあるものの、治療継続の課題のひとつになっていた。食後投与にすることで消化器症状の発現を抑えることを期待する。

エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「TY」、同25mgシリンジ0.5mL「TY」、同50mgシリンジ1.0mL「TY」、同50mgペン1.0mL「TY」(エタネルセプト(遺伝子組換え)[エタネルセプト後続2]、YLバイオロジクス)
▽エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「日医工」、同25mgシリンジ0.5mL「日医工」、同50mgシリンジ1.0mL「日医工」、同50mgペン1.0mL「日医工」(同、共和薬品工業)
:「関節リウマチ、若年性突発性関節炎」を対象疾患とするバイオ後続品。

エタネルセプトBSの先行品は、ファイザーが製造販売するエンブレル。YLバイオロジクスは、陽進堂とインドのルピンとの合弁会社。同社が申請した製品は、ルピンが製造する原薬をもとに、日本国内で製剤化する。また、共和薬品が申請した製品は、親会社であるインドのルピン社が開発し、共和薬品が承認申請した。18年6月に日医工が導入する契約を締結し、承認後は、日医工が自社の屋号を付して日本で独占的に販売する予定になっている。エンブレルのバイオ後続品は、承認されれば、持田製薬の製品に続くものとなる。

テモダールカプセル20mg、同カプセル100mg、同点滴静注用100mg(テモゾロミド、MSD)
テモゾロミド錠20mg「NK」、同錠100mg「NK」(同、日本化薬)
:「ユーイング肉腫」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

追加する適応について厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、18年8月の薬食審・医薬品第二部会で公知申請することが了承されていた。同省が後発品についても同様の申請の検討を促していることを踏まえ、日本化薬が公知申請していた。両剤は現在、脳腫瘍の一種の悪性神経膠腫の治療薬として承認されている。

 
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