薬食審 11月9日に第一部会 新薬2製品の承認を審議 大塚の飲酒量低減薬など
公開日時 2018/10/29 03:51
厚労省は、11月9日に新薬の承認の可否などを検討する薬食審・医薬品第一部会を開催する。新薬としては大塚製薬が承認申請したアルコール依存症において飲酒量を低減する薬剤など2製品の承認の可否について審議する予定。飲酒量の低減を適応とする薬剤は日本にはないという。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽セリンクロ錠10 mg(ナルメフェン塩酸塩水和物、大塚製薬):アルコール依存症患者における飲酒量を低減する新有効成分含有医薬品。
同剤はデンマークのルンドベック社が創製し、日本では両社で共同開発し、アルコール依存症治療の補助に用いる。大塚の発表によると、中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体調節作用を介して飲酒欲求を抑制し、依存症患者の飲酒量を低減させる。最新のアルコール依存症に対する診断・治療ガイドラインでは、飲酒量低減治療が断酒に導くための中間的ステップあるいは治療目標のひとつに位置づけられている。
▽プレセデックス静注液200 μg「ファイザー」、同200 μg/50 mLシリンジ「ファイザー」(デクスメデトミジン塩酸塩、ファイザー)
▽プレセデックス静注液200 μg「マルイシ」、同200 μg/50 mLシリンジ「マルイシ」(デクスメデトミジン塩酸塩、丸石製薬)
:「集中治療における人工呼吸中及び離脱後の鎮静」において小児の用法・用量を追加する。
小児適応の開発要望が高かったことから、小児を対象とした国内臨床試験を実施し、一部変更承認申請をファイザーと丸石製薬がそれぞれ行った。
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽プラルエント皮下注75mgペン、同150mgペン(アリロクマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):現在の効能・効果は、家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症で「心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る」としているが、今回、HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない患者を加える。
同剤は、標的とするPCSK9と結合し、PCSK9のLDL受容体への結合を阻害、LDLコレステロールを血中から除去するLDL受容体数を増やす作用により、その結果としてLDLコレステロールの値が低下するとされる。抗体医薬。