エーザイとMSD 抗がん剤レンビマの情報活動で協業開始 メディカルとデジタル先行
公開日時 2018/10/23 03:52
エーザイとMSDは10月22日、エーザイの抗がん剤レンビマカプセル(一般名:レンバチニブメシル酸塩) について情報活動の協業を始めたと発表した。同剤による治療が十分に浸透していないとして肝細胞がんの適応から実施する。まず両社のメディカルサイエンスリエゾン(MSL)などによるメディカル活動と、医療従事者向けサイトを通じたデジタルコンテンツを活用した情報提供の共同展開を先行して始めた。両社MRによる共同販促は2019年1月からの開始を予定している。日本では、レンビマは肝細胞がんの全身化学療法の一次治療薬として約10年ぶりであり、エーザイとしては次期主力品と位置付け、肝領域に強いMSDと協業することで、販売の加速を図る。
協業は、エーザイと米メルクが3月に合意した同剤のグローバル展開で戦略的提携の一環。将来的にはレンビマとMSDの主力品である抗PD-1抗体キイトルーダの併用療法の共同開発も視野に入れている。すでに米国では6月から共同販促を開始している。
日本では、まずは両社のMSLによる活動をはじめとするメディカル活動を実施する。また、エーザイが提供する肝がんの治療ガイドランや適正使用に関する動画を含むデジタルコンテンツに、MSDの医療従事者サイトからもアクセスできるようにした。両社MRによる協業は19年1月開始予定で、共同販促体制については「(分担を含め)両社の強み活かす方向で協議している」(エーザイPR部)とし、詳細は明かしていない。メディカルとデジタルを先行させた理由は「協議の結果」(同)としか答えておらず、医師らからの問い合わせにはMSDは、エーザイと連携して対応するとしている。
エーザイは、レンビマの18年度売上について前年度から2.5倍増の75億円を計画し、肝細胞がん適応を主な伸長理由に挙げている。
両社は、レンビマの適応症である甲状腺がん、腎細胞がんほか、今後目指す適応についても協業を検討する。