NPhA 北海道地震の被災会員企業は72社 日薬視察報告に南野会長「客観的事実ない」
公開日時 2018/09/14 03:50
日本保険薬局協会(NPhA)は9月13日の記者会見で、北海道で震度7を観測した地震の影響で、道内の会員企業501社のうち、14.4%にあたる72社が被災から2日間開局できなかったと発表した。NPhaが被災状況をメールや電話で聞き取って調べた。開局できなかった理由は、ほとんどが停電や職員が被災したためだったという。日本薬剤師会の視察報告書に「薬局チェーンの多くが店舗を閉めていた」と記されたが、南野利久会長は、「客観的事実がなく、説得力がない」と批判した。北海道ブロック長を務めるアインホールディングスの首藤正一代表取締役専務は、自社の状況を紹介し、「ほぼやっていたと言っても過言ではない」と反論した。
NPhAでは9月7日から8日にかけて、3人を派遣し、現地調査を行った結果も報告した。調査地域は江別市と札幌市、千歳市で、それぞれ避難所を訪問した。調査の結果、災害時に備えて水や食料を備蓄している自治体は多いが、哺乳瓶の消毒液等の乳児に必要な物資が不足しがちであることがわかったという。NPhAでは、「今後支援を行う際の参考としたい」としている。
◎薬機法改正めぐり自民党小委員会に要望 「ガバナンス規制強化の議論は丁寧に」
NPhAは同日、自民党厚生労働部会の薬事に関する小委員会で、「薬局事業運営や企業活動の実態を踏まえ、特定の事業者に負担を強いることがないよう、公正で中立的なものとなるよう丁寧で慎重な議論をお願いしたい」などと要望したことを公表した。医薬品医療機器等法(薬機法)の改正議論で、保険薬局のガバナンスについて、特にチェーン薬局に対する厳しい目が向けられていることを踏まえたもの。
ガバナンス強化に向けた加盟会社の取り組みとして、薬局開設者が現場の状況の把握方法や、教育訓練の実施、医薬品購入の管理方法などを紹介した事例集も提出したとしている。主要19社の事例がまとめられている。NPhAの杉本年光常務理事は「チェーン薬局はガバナンスが悪いから問題が発生しているということは実際にはないと考えている」と述べた。
このほか、NPhAは、「時代が求める機能を発揮できるよう、薬局の構造規制、事業規制その他の規制見直し」についての議論も要望している。