米FDA アバスチンのバイオシミラーを承認 抗がん剤としては初
公開日時 2017/09/22 03:50
米食品医薬品局(FDA)は9月14日、分子標的抗がん剤Avastin(ベバシズマブ)のバイオシミラー(BS:バイオ後続品)である米アムジェン社のMvasi(ベバシズマブ-awwb)を承認した。Mvasiは、米国で承認された抗がん剤では初のBSとなった。
適応症は、先発品Avastinと同様、結腸直腸がん、肺がん、脳腫瘍(グリア芽腫)、腎がん、子宮頸がん。先発品であるAvastinは、スイス・ロシュ社グループ・ジェネンテク社の製品。
FDAのScott Gottlieb長官は、「新規のBSを既存治療薬のコストが非常に高い薬剤を服用している患者に提供することは、医療費を削減するためには、競争を促すことと同時に意義ある治療法へのアクセスを改善するためにも重要な手段である」と同剤の登場を歓迎したうえで、「我々は、新規BSが迅速に上市されるように、BSが安全性と有効性についてのFDAの厳格な基準を確実に満たすプロセスを通して努力して行きたい」と今後のBS承認加速化への意欲を示した。
FDAは、新薬承認の場合、通常、医薬品評価研究センター(CDER)あるいは生物製剤評価研究センター(CBER)などの部長クラスのコメントを発表するが、今回は、長官のコメントを発表した。これは、日欧に比較して、BSの普及が遅れていると批判されている、FDAがBS普及を重視、本気で取り組むとの姿勢を示したものとみられる。
アムジェン社のSean Harper上級副社長(研究開発担当)は、「Mvasiの承認は、米国で承認された、初めての抗がん剤BSとして、臨床医、患者にとって意義あるマイルストーンとなった」と同剤の上市を自負し、「我々は、我々のBSと抗がん剤ポートフォリオにおける数十年の経験をベースに、それらを拡大していく考えであり、Mvasiは、高品質のがん標的療法へのアクセスを前進させる可能性を持っている」とアクセスしやすいBSとしてのメリットにも言及した。