薬食審・第二部会 オーファン指定の抗がん剤2製品を審議、承認を了承
公開日時 2017/04/24 03:51
薬食審医薬品第二部会は4月21日、新薬として抗がん剤2製品の承認の可否を審議し、いずれも承認を了承した。両剤とも希少疾病用医薬品の指定を受けている。
【審議品目】(カッコ内は一般名と申請企業名)
▽ジフォルタ注射液20mg(プララトレキサート、ムンディファーマ):「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
リンパ腫や固形がんの治療薬として広く使用されている葉酸拮抗薬メトトレキサートの類似化合物。再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の治療選択肢のひとつとの位置づけ。海外では米国含む15の国・地域で承認済(2017年1月時点)
▽ザーコリカプセル200mg、同250mg(クリゾチニブ、ファイザー):「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
非小細胞肺がんのうちROS1融合遺伝子陽性患者は1~2%で、同適応を有する分子標的治療薬は現在ない。現在の適応症であるALK融合遺伝子陽性患者とは重ならないとしている。今回承認が了承された適応では33の国・地域で承認済(2017年1月時点)。
【報告品目】(カッコ内は一般名と申請企業名)
報告品目は、PMDAの審査段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断されたもの。
▽ゾシン静注用2.25、同4.5、同配合点滴静注用バッグ4.5(タゾバクタム/ピペラシリン水和物、大鵬薬品):「深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。
今回追加承認することになった適応症に対しては同剤の使用が国内外で広く行われていることから、公知申請の扱いとなった。。
▽カイプロリス点滴静注用10mg、同40mg(カルフィルゾミブ、小野薬品):「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新用量・その他の医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は残余(2026年7月3日まで)。
現在はレナリドミド及びデキサメタゾンとの3剤併用だが、今回追加することなった新用法・用量では、デキサメタゾンとの2剤併用でも使えるようになる。