米FDA 喘息治療薬Cinqairを承認
公開日時 2016/03/29 03:50
米食品医薬品局(FDA)は3月23日、18歳以上の成人における重症喘息治療薬Cinqair注射剤(resilizumab)を他の喘息薬との併用で承認した。
同剤は、マウス骨髄腫NS0細胞を使った遺伝子組み換え技術により産生されたヒト化インターロイキン(IL)-5拮抗薬のモノクローナル抗体。対象は、既存の喘息薬を服用しているにもかかわらず、重症の喘息発作(増悪)の病歴がある患者で、静脈注射剤で4週1回投与する。重篤な副作用として、アナフィラキシーを発現する可能性があるため、アナフィラキシーを管理できる医療機関における医療従事者による注射が求められている。
イスラエルTeva Pharmaceuticals Industriesの米子会社Teva Pharmaceuticals(本社:ペンシルバニア州フレイザー)が製造する。
Teva(親会社)のMichael HaydenグローバルR&D部長兼最高科学責任者(CSO)は、「Tevaのスペシャルティ医薬品パイプラインは、我々の重点領域において、患者、医療供給者、介護者および保険者にとってアンメットニーズを満たすための治療法の開発に焦点を当てている」と述べたうえで、「我々はCinqairの開発によって呼吸器疾患の治療を前進させたことを示すことができ、誇りに思う」と話した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のBadrul Chowdhury肺・アレルギー・リウマチ製品部長は、「医療供給者と重症喘息患者は、いまや既存喘息治療法で適切に管理できない場合の新たな治療選択肢ができた」と同剤の登場を歓迎した。
米国疾病管理センター(CDC)によると、2013年現在で、米国には2200万人以上の喘息罹患者がおり、毎年、40万人以上が喘息関連で入院しているという。