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薬食審・第二部会 新薬3成分審議 承認了承 前立腺がん治療薬イクスタンジンなど

公開日時 2014/02/04 03:52
厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は2月3日、去勢抵抗性前立腺がんを適応とした抗アンドロゲン薬のイクスタンジンカプセル(一般名:エンザルタミド、開発企業:アステラス製薬)など新薬3成分を審議し、承認を了承した。
 
審議品目】(カッコ内は成分名、会社名)
 
▽イクスタンジカプセル40mg(エンザルタミド、アステラス製薬):「去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。米国で2012年8月に、欧州では13年6月に承認され、35の国または地域で承認済み。
 
イクスタンジンは、腫瘍組織でアンドロゲン(男性ホルモン)がアンドロゲン受容体に結合することを競合的に阻害する。これにより、同受容体を介したシグナル伝達が阻害され、腫瘍増殖が抑制される。外科的または内科的去勢術(ホルモン療法)抵抗性の患者に使用する。1日1回160mgを経口投与する。類似薬にはカソデックス(ビカルタミド、アストラゼネカ)やオダイン(フルタミド、日本化薬)がある。
 
▽ロンサーフ配合錠T15、同配合錠T20 (トリフルリジン/チピラシル塩酸塩配合錠、大鵬薬品):「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間8年。世界初承認。
 
がん細胞の増殖に必要なさまざまなDNA機能を抑制するトリフルリジン(FTD)と、FTDの代謝を抑制して有効血中濃度を維持するチピラシルを組み合わせた経口配合剤。FTDの用量はT15が15mg、T20で20mg。体表面積に応じて初回投与量を決め、1日2回5日間連続投与して2日間休薬する。このサイクルを2回繰り返した後に14日間休薬し、これを1コースとして繰り返す。
 
標準治療が困難な場合に使用が限られ、治癒切除不能な進行・再発がんへ適応を持つベクティビックス(パニツムマブ、武田薬品)やエルプラット(オキサリプラチン、ヤクルト)、スチバーガ(レゴラフェニブ、バイエル)に抵抗性の場合に用いる。
 
フェーズ2(P2)試験終了時に全生存期間の延長(9.0カ月に対してプラセボ群6.6カ月)が認められ、「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に基づいてP3終了前に申請されていた。そのため、同薬についてはP3結果の提出が求められている。
 
アビガン錠200mg(ファビピラビル、富山化学工業):「新型または再興型インフルエンザウイルス感染症」(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効または効果不十分なものに限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
 
インフルエンザウイルス遺伝子の複製酵素であるRNAポリメラーゼを選択的に阻害し、ウイルスの増殖を阻止する。新しい作用機序であるため、既存薬への耐性株にも効果を発揮することが見込まれる。既存薬には、タミフル(オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)、イナビル(ラニナミビル)、ラピアクタ(ペラミビル)、シンメトレル(アマンタジン)がある。
 
現時点で有効性のエビデンスが限られていることや、非臨床試験では催奇形性が確認されているため、承認条件に▽追加臨床試験の実施▽パンデミック発生まで一般に流通させない厳格な流通管理の実施▽妊婦や妊娠の可能性のある女性への投与回避や投与中と投与後7日間避妊措置を行う安全対策―などが挙げられている。
 
【報告品目】(カッコ内は成分名、会社名)
 
以下の品目は医薬品医療機器総合機構の審査で承認して差し支えないとされ、部会で審議も不要と判断されたもの。
 
▽フィルグラスチムBS注75μgシリンジ「サンド」、同注150μg、同注300μg(フィルグラスチム遺伝子組換え、サンド):「がん化学療法による好中球減少症」などを効能・効果とする遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤の3番目のバイオ後続品。再審査期間なし。欧州を含む54カ国で承認済み。先行薬はグラン(協和発酵キリン)。13年5月にバイオ後続品2剤が発売され、持田製薬と富士製薬、日本化薬とテバ製薬がそれぞれ販売にあたっている。
 
▽硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」(ストレプトマイシン硫酸塩、Meiji Seikaファルマ):「マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症の効能・効果の追加および新用量医薬品」。再審査期間なし。
 
 
▽ダラシンS注射液300mg、同注射液600mg(クリンダマイシンリン酸エステル、ファイザー):「顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎の効能・効果の追加」。再審査期間なし。
 
硫酸ストレプトマイシンとダラシンは、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て公知申請されたもの。特例で既に保険適用されている。
 
【訂正】審議品目であるアビガン錠200mg(ファビピラビル、富山化学工業)の記載が欠落していました。下線部を追記訂正します。(2月4日10:40訂正済み)
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