政府 コンゴ民主共和国へエムポックスワクチン5万回分無償供与 感染拡大受け今後も輸送予定
公開日時 2025/01/28 04:51
政府は1月27日、コンゴ民主共和国に対し、エムポックスワクチン・乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16「KMB」5万回分を無償供与したと発表した。エムポックスが感染拡大しているコンゴ側からのワクチンと接種針の供与要請に基づくもので、今後も「準備ができ次第速やかに輸送する予定」としている。
日本政府とコンゴは2024年9月、ワクチンと接種針の贈与を両国間で合意。ワクチン輸送に先んじて、24年12月には厚労省職員や国立国際医療研究センターの専門家チームがコンゴを訪問し、接種指導者を対象にワクチンについての講義や接種準備、接種手技のトレーニングなどを行った。コンゴからは305万回分の供与要請を受けており、両国の保健当局間での調整を経て、まずは5万回分のワクチンと接種針を送った。
ワクチンの製造販売元であるKMバイオロジクスとMeiji Seika ファルマは、「今後WHO事前認証(PQ)の取得を目指していく。また、引き続きWHOや厚労省などの関係機関と協力しながら、コンゴ民主共和国を中心とするアフリカ諸国でのエムポックスの深刻な流行の制圧につながることを目指し、流行地域でのワクチン接種拡大を通じて国際的な公衆衛生上の緊急事態への対応に貢献していく」とコメントを出した。
同社によると、コンゴでは、24年11月17日時点で、エムポックスの確定症例 9513例(死亡者43例)、疑い例を含めると4万3862例(死亡者1138例)が報告されている。特に流行地域では15歳未満の小児での発症率が最も高くなっているという。