自民厚労部会・社保調査会合同会議 25年度薬価改定の実施根拠は「4大臣合意」 政府の認識を問う声も
公開日時 2024/12/04 04:51
自民党の厚生労働部会・社会保障制度調査会合同会議は12月3日、2025年度予算編成大綱案をめぐり議論した。焦点の中間年改定については、「現下の社会・経済情勢を踏まえ、必要十分な配慮を行うこと」と社会保障制度調査会の提言案に記した。合同会議では出席議員から、中間年改定の実施根拠が、2016年末の4大臣合意となっていることについて政府側の認識を問う声があがった。これに対し厚労省側は、「4大臣合意がなくなったというようなことは、いままでもない。薬価改定は今でも(中間年改定の)ベースになっている」と説明。それに対して、4大臣合意から年月を経る中、社会・経済情勢が大きく変化しているとの指摘もあった。田村憲久社会保障制度調査会長は合同部会後、記者団の取材に対し、この日の議論を踏まえて、提言案の文言修正を検討する考えを示した。
25年度薬価改定については予算編成大綱案では、「骨太の方針を踏まえ、必要な対応を行う」とした。これに対し、「経済や物価動向等を踏まえた社会保障分野の対応等について(案)」と題した提言では、「公定価格で運営される医療や福祉、介護といった社会保障分野においても、経済や物価動向等を踏まえ、政府において適切に対応なされることが重要」として、25年度薬価改定について「現下の社会・経済情勢を踏まえ、必要十分な配慮を行うこと」としている。
出席議員からは、「中間年改定廃止」の明記を求める声が複数あがった。同時に、中間年改定が実施される根拠となっている、2016年末の4大臣合意の位置づけを改めて問う声があがった。
4大臣合意では、“毎年薬価改定”が導入され、「価格乖離の大きな品目」について薬価改定を行うことが決められた。
この日の合同部会で出席議員からは、「1回目の中間年改定にかかっているのか、毎年の中間年改定にかかわってくるという判断なのか。政府が閣議決定したものを党としてどう扱うかにもかかわる」として、政府側の認識を問う声があがった。これに対し、厚労省側は、「4大臣合意の考え方を踏まえ、その時の状況を踏まえ、前々回、前回の中間年改定ともに3大臣でピン止めしている。その中で、“0.625倍”という数字が出てきているが、4大臣合意を踏まえて行われていると承知している」と説明した。
出席議員からは、時間経過とともに医薬品や製薬業界を取り巻く環境変化が大きいことを指摘する声があがった。自民党として、声を上げていく必要性を強調する声や、4大臣合意のやり直しを求める声もあった。
このほか、診療報酬をめぐり、「ぜひ物価上昇に応じて、賃上げのために報酬体系が自動的に段階的にシステマティックに上がっていくような仕組みにしていただきたい」と要望する声もあった。