協和キリンは8月１日、早期希望退職者の募集を始めると発表した。特別希望退職制度の対象は、研究本部、生産本部CMC研究センター、品質本部グローバルCMC品質ユニットの一部組織の30歳以上かつ勤続３年以上の経営職・一般職・再雇用社員の約500人。営業職は含まれない。募集人数は定めていない。2030年ビジョンの実現に向けて「重点領域やモダリティでの取り組みを強固なものにすることを目指して、グローバルでの研究体制へ移行を進めていく」としている。

◎募集期間は8月21日～9月20日　退職日は12月31日

特別希望退職制度の募集期間は8月21日～9月20日で、退職日は12月31日。退職者には通常の退職金に割増退職金を加算する。また、希望者には再就職支援も行う。

◎低分子創薬の大幅な縮小を決定　CMC研究業務や品質関連業務も縮小

特別希望退職制度を導入する理由について同社は、「2030年ビジョンの実現に向けた研究機能の移行やさらなる創薬力強化を目指す」と説明。その上で、自社での低分子創薬研究業務の大幅な縮小、さらに関連プロジェクトの中止に伴うCMC研究業務や品質関連業務の縮小を決定した。同社は「この転換期に、社員のキャリア開発の選択肢を広げ、社外への転進を希望する社員に対して最大限の支援を行うため」としている。

2030年ビジョンの実現に向けた戦略として、2024年2月には「Story for Vision 2030」を発表。その方向性として「骨・ミネラル、血液がん・難治性血液疾患、希少疾患を重点領域として定め、モダリティとしてはこれまで培ってきた先進的抗体技術に加えて、造血幹細胞遺伝子治療（HSC-GT）に注力する」と掲げている。