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日医 松本吉郎会長が再選 一致団結する強い医師会へ「さらに一段と進める医療政策を強力に進める」

公開日時 2024/06/24 05:29
日本医師会は6月22日、代議員会で任期満了に伴う会長選挙を行い、松本吉郎会長が再選を決めた。副会長には茂松茂人氏(大阪府)、角田徹氏(東京都)に加え、釜萢敏氏(群馬県)が初めて選任された。松本会長は同日開いた会見で、「非常に身の引き締まる想い」と所感を語った。会長に就任した1期目から掲げる“地域から中央へ”、“更なる信頼を得られる医師会へ”、“医師の期待に応える医師会へ”、“一致団結する強い医師会へ”を今期も掲げ、「さらに一段進める医療政策を打ち出し、強力に進めたい」と話し、組織力強化に注力する姿勢を強調した。

◎全国の都道府県、郡市区医師会の先生の考えを聞いて課題に取組み、情報発信する

「次の2年間はもっと厳しい2年間になると思っている」-。松本会長は会見で、こう話した。2期目の船出を切った松本執行部だが、少子高齢化が進み、社会保障費の抑制に対する圧力も厳しさを増す中で厳しさを増すと見通す。乗り越えるためにも、一枚岩となった強力な組織力が欠かせないとの考えだ。「全国の都道府県、郡市区医師会の先生方のお考えをよく聞いた上で、色々な課題に取り組み、しっかりと情報発信をしていく。また、医師会の存在理念を共有し、全国の国民の方々にも少しでもわかりやすい形で発信していく」と述べた。

「これから2年間、さらに厳しくなると考えている。我々が国民の医療を守り、そして我々が適切な医療ができるといった方向で、松本会長を支えてしっかり頑張ってまいりたい」(茂松副会長)、「この後の2年間、さらなる困難が予想される。まさに一枚岩となって医師会としてのしっかり役割、役割を果たし、民を守ることに努めたい」(角田副会長)と副会長も強調した。

政策実現へ、与党との距離感も重要視される中で、釜萢副会長は、日本医師連盟の組織内候補として来年の参議院選挙にも臨む。「松本会長を全力でお支えするとともに、新たに仲間に加わってくださった常任の役員の方々にこれまでの経験をしっかりお伝えする役割も担っていると考えている。また、来年の7月の参議院選挙に向けて全国を回り、しっかりご理解をいただき、得票重ねるという仕事も重要な仕事だと思っている。しっかり両方とも全力で取り組んで参りたい」と話した。

◎医師会活動「情報共有、相互理解、コミュニケーション、共に行動することが重要」

松本会長は23日の代議員会で所信を表明する中でも、“地域から中央へ”、“更なる信頼を得られる医師会へ”、“医師の期待に応える医師会へ”、“一致団結する強い医師会へ”を4本柱としてさらに強化する姿勢を強調。「全国の医師会の意見を聞きながら、攻めるところは攻め、守るところは守るなど、攻防一体となって、活動する」と述べた。「医師会活動においては、情報共有、相互理解、コミュニケーション、共に行動することが重要だ。今後も現場との連携を深めるため、引き続き地域医師とこれまでのような緊密な連携を図る」と強調した。

◎物価高や賃上げ対応「診療報酬だけでなく、補助金や税制措置などあらゆる選択肢を提言、実行」

超高齢、人口減少時代を迎える中で、医療財源については、「税金による公助、保険料による共助、自己負担による自助の3つのバランスをとることが大切であり、自己負担のみを上げないことが大事だ」と表明。6月21日に閣議決定された骨太方針2024で、社会保障費の伸びを高齢化の伸び相当とする歳出の目安を維持する方針が示された。ただ、原案段階では脚注に記載されていた「日本経済が新しいステージに入りつつある中で、経済・物価動向等に配慮しながら、各年度の予算編成過程において検討する」は本文に格上げ。松本会長は、「一定の前進が見られたと思うが、まだまだ不十分」との見解を表明。「物価高勝や賃金上昇への対応も喫緊の課題であり、診療報酬のみならず、補助金や税制措置など、あらゆる選択肢を含め、今後も医療政策を提言し、実行する」と語った。

◎医師の偏在対策「年末にかけ丁寧な議論が必要」 不足している地域に声に耳を

焦点となっている医師の偏在対策をめぐっては骨太方針2024に年末までに「総合的な対策のパッケージ」を策定することが明記されているが、「年末にかけて丁寧な議論が必要」との見解を表明。「日本医師会としては、医師の偏在対策は、まずは不足している地域の声に耳を傾け、それに対し国は必要な財政支援、好事例の横展開、研修等でそれを支えることが基本であり、自主的な気運の醸成や働きやすい環境の備等が必要であると考えている」と述べた。

財務省が医師の偏在対策解消に向けて、都市部の診療報酬単価を下げることなどを主張したことについては、「言語道断」と語気を強め、「ディスインセンティブで行うのではなく、補助金によるインセンティブを設けるのが大前提」と強調した。

◎会長選は松本氏が334票、松原氏が38票 「執行部への叱咤激励と捉えている」

会長選は、投票総数378票(代議員総数は380人)のうち、松本会長が334票を獲得。日本医師会元副会長の松原謙二氏が38票、無効4票、白票2票だった。松本会長は再選後の記者会見で受け止めを問われ、「満票対ゼロということはあり得ない。どのような世界でも一定程度の批判はあり、様々なご意見はあろうかと思う。今回の約1割の票は、執行部に対して“もうちょっと頑張れ”、“もっと政策を打ち出し行動も強くあれ”といった叱咤激励だと捉えている」と話した。

副会長、常任理事は、定数と立候補者数が同数で、選挙は行われず、松本会長のキャビネット全員が当選を果たした。常任理事は、細川秀一氏(愛知県)、今村英仁氏(鹿児島県)、松岡かおり氏(千葉県)、江澤和彦氏(岡山県)、濱口欣也氏(福岡県)、黒瀬巌氏(東京都)、長島公之氏(栃木県)、宮川政昭氏(神奈川県)、笹本洋一氏(北海道)、渡辺弘司氏(広島県)、城守国斗氏(京都府)、藤原慶正氏(秋田県)、坂本泰三氏(兵庫県)、佐原博之氏(石川県)の14人。任期は2年間。


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