オンデキサ 併用注意に「未分画ヘパリン、低分子ヘパリン」を追記 厚労省が添付文書改訂を指示
公開日時 2024/03/29 04:47
第Xa因子阻害剤の中和剤・オンデキサについて、「相互作用」の「併用注意」の項を新設し、「未分画ヘパリン、低分子ヘパリン」を追記するなどの添付文書改訂が行われた。厚生労働省医薬局医薬安全対策課が3月28日、課長名で添付文書改訂を指示したことを受けたもの。イエスカルタ、アベクマ、キムリア、ブレヤンジの4つのCAR-T製品でも、「その他の注意」に、CAR発現T細胞を含有する他の再生医療等製品において、製品投与後にCAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されていることが追記された。
添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。
▽アンデキサネット アルファ(製品名:オンデキサ静注用、アストラゼネカ)
改訂概要:「重要な基本的注意」の項にヘパリン抵抗性に関する注意喚起を追記する。「相互作用」の「併用注意(併用に注意すること)」の項を新設し、「未分画ヘパリン、低分子ヘパリン」を追記する。「その他の注意」の「臨床使用に基づく情報」の項のヘパリン抵抗性に関する記載を削除する。
改訂理由:ヘパリン抵抗性関連の症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤とヘパリン抵抗性との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
ヘパリン抵抗性関連症例の国内症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない症例10例。うち医薬品と死亡との因果関係が否定できない症例0例。
▽アキシカブタゲン シロルユーセル(製品名:イエスカルタ点滴静注、ギリアド・サイエンシズ)
▽イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ点滴静注、ブリストル・マイヤーズ スクイブ)
▽チサゲンレクルユーセル(製品名:キムリア点滴静注、ノバルティス ファーマ)
▽リソカブタゲン マラルユーセル(製品名:ブレヤンジ静注、ブリストル・マイヤーズ スクイブ)
改訂概要:「その他の注意」の項に、「CAR発現T細胞を含有する他の再生医療等製品において、製品投与後にCAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されている」と追記する。
改訂理由:CAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、
・今回の検討対象となる4製品において、CAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が認められたと明確に判断可能な症例はなかった。
・しかしながら、CAR発現T細胞を含有する他の再生医療等製品において「CAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍」と判断される事象が報告されており、同じくCAR発現T細胞を含有する今回の検討対象となる4製品において、今後「CAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍」と判断される事象が発現する可能性は高いと考えること。
を理由に、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
CAR陽性のT細胞を起源とするリンパ系腫瘍関連症例の集積状況:4製品とも国内0例。海外ではチサゲンレクルユーセルで1例あったが、本剤と事象との因果関係が否定できない症例は0例。