中外製薬 バイスペシフィック抗体・モスネツズマブ 再発・難治性の濾胞性リンパ腫を対象に承認申請
公開日時 2024/03/18 04:47
中外製薬は3月14日、抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体・モスネツズマブについて、過去に2レジメン以上の全身療法を受けたことがある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を対象疾患に承認申請したと発表した。
モスネツズマブは、B細胞上のCD20とT細胞上のCD3を標的とするように設計されたCD20/CD3に対するT細胞誘導バイスペシフィック抗体。細胞傷害性T細胞を介した免疫を活性化し、CD20を有する腫瘍細胞に対して抗腫瘍効果をもたらすことが期待されている。
今回の承認申請は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の患者を対象に実施した国内第1相臨床試験と、ロシュによる海外第1/2相臨床試験の成績に基づく。このうち国内第1相試験で、過去に2レジメン以上の全身療法を受けたことがある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者を対象とした拡大コホートにおいて、臨床的に意義のある完全奏効割合を示し、主要評価項目を達成した。安全性は、これまで実施された海外試験で認められている安全性プロファイルと同様だったとしている。試験成績の詳細は、今後の学会などで発表予定。
◎奥田社長CEO 「患者さんの予後や社会生活を変える可能性を秘めている」
奥田修・代表取締役社長CEOは、「モスネツズマブは、臨床試験において単剤治療で持続的な寛解が期待できる結果を示した」とコメント。現在の濾胞性リンパ腫治療は、長期間の継続投与や入院を必要とするとした上で、「(モスネツズマブは)投与期間があらかじめ定められていることから、治療に伴う通院負担を軽減することが期待できる」との認識も示した。そして、「患者さんの予後や社会生活を変える可能性を秘めている本剤を、一日も早く患者さんにお届けできるよう、当局と連携のうえ引き続き尽力する」とした。