厚生労働省は11月22日、８製品の適応追加などを承認した。この中には、進行・再発の子宮体がんに対する抗PD-L1抗体・イミフィンジ点滴静注とPARP阻害薬・リムパーザ錠の併用療法や、局所進行子宮頸がんに対する抗PD-1抗体・キイトルーダ点滴静注と同時化学放射線療法（CCRT）との併用療法が含まれる。

適応追加などが承認された製品は次の通り（カッコ内は一般名、製造販売元）。

▽イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500 mg（デュルバルマブ（遺伝子組換え）、アストラゼネカ）：「進行・再発の子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。薬効分類429。

▽リムパーザ錠100mg、同錠150mg（オラパリブ、アストラゼネカ）：「ミスマッチ修復機能正常（pMMR）の進行・再発の子宮体がんにおけるデュルバルマブ（遺伝子組換え）を含む化学療法後の維持療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。薬効分類429。

イミフィンジは抗PD-L1抗体。リムパーザはPARP阻害薬。進行・再発の子宮体がんに対し今回、イミフィンジと化学療法の併用療法に続くイミフィンジ単独維持療法を行う１次治療は、ミスマッチ修復機能（MMR）の有無に関係なく承認された。また、イミフィンジと化学療法の併用療法に続くイミフィンジとリムパーザの併用維持療法は、ミスマッチ修復機能が正常（pMMR）な患者に対し承認された。

アストラゼネカによると、今回の承認は進行・再発の子宮体がんを対象に、１次治療としての化学療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法、および維持療法を目的とした免疫チェックポイント阻害薬とPARP阻害薬の併用療法に対する初の承認となる。

▽キイトルーダ点滴静注100mg（ペムブロリズマブ（遺伝子組換え）、MSD）：「局所進行子宮頸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。薬効分類429。

抗PD-1抗体。今回、局所進行子宮頸がんに対する同時化学放射線療法（CCRT）との併用が承認された。この用法・用量は、「シスプラチンを用いた同時化学放射線療法との併用において、通常、成人には、１回200mgを３週間間隔又は１回400mgを６週間間隔で30分間かけて点滴静注する。投与期間は24カ月間までとする」。

▽ランダ注10mg/20mL、同注25mg/50mL、同注50mg/100mL（シスプラチン、日本化薬）：「子宮頸がん」を効能・効果とする新用量医薬品。薬効分類429。

今回承認された局所進行子宮頸がんに対するキイトルーダとCCRTとの併用療法で用いるもの。

▽アレックスビー筋注用（RSウイルスPreF3抗原、グラクソ・スミスクライン）：「RSウイルスによる感染症の予防」を効能・効果とする新用量医薬品。薬効分類631。

呼吸器合胞体ウイルス（RSウイルス）ワクチン。これまでの用法・用量は「60歳以上の者に１回0.5mLを筋肉内に接種する」となっていたが、今回、「60歳以上の者又は50歳以上のRSウイルスによる感染症が重症化するリスクが高いと考えられる者に１回0.5 mLを筋肉内に接種する」と、50歳以上のハイリスク者に60歳以上と同様の用量が承認された。

▽レボレード錠12.5mg、同錠25mg（エルトロンボパグ オラミン、ノバルティスファーマ）：「慢性特発性血小板減少性紫斑病（小児用量の追加）」を対象疾患とする新用量医薬品。事前評価済公知申請。薬効分類399

▽ロミプレート皮下注250µg調製用（ロミプロスチム（遺伝子組換え）、協和キリン）：「慢性特発性血小板減少性紫斑病（小児用量の追加）」を対象疾患とする新用量医薬品。事前評価済公知申請。薬効分類399

▽リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注500mg（リツキシマブ（遺伝子組換え）、全薬工業）：「慢性特発性血小板減少性紫斑病（小児用量の追加）」を対象疾患とする新用量医薬品。事前評価済公知申請。薬効分類429

レボレード錠、ロミプレート皮下注、リツキサン点滴静注の３製品について、慢性特発性血小板減少性紫斑病（慢性ITP）における「１歳以上の小児」の用量が承認された。