先天性プロテインC欠乏症治療薬・セプーロチンなど5製品を審議へ 2月22日の薬食審・第二部会で
公開日時 2024/02/09 04:47
厚生労働省は2月22日に薬食審・医薬品第二部会を開き、武田薬品の先天性プロテインC欠乏症治療薬・セプーロチン静注用(一般名:乾燥濃縮人プロテインC)および後天性血友病A治療薬・オビザー静注用(スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え))など、新薬5製品の承認可否を審議する。新有効成分含有医薬品はこれら2製品で、残り3製品はいずれも小児用量の追加となる。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽リフキシマ錠200mg(リファキシミン、あすか製薬):「肝性脳症における高アンモニア血症の改善」を対象疾患に小児用量を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
リファマイシン系の難吸収性抗菌薬。16年9月に「肝性脳症における高アンモニア血症の改善」の効能・効果で承認されており、成人での用法・用量が設定されている。あすか製薬が小児患者を対象とした国内臨床試験を実施し、一変申請した。なお、小児用量の追加について、日本小児栄養消化器肝臓学会から厚労省に承認を求める要望書が提出されている。
▽①ファセンラ皮下注30mgシリンジ、②同皮下注10mgシリンジ(ベンラリズマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ):「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」を対象疾患に小児用量を追加する、①は新用量医薬品。②は新用量・剤形追加に係る医薬品。
抗IL-5受容体α抗体。18年1月に「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」の効能・効果で承認されており、成人での用法・用量が設定されている。
重症喘息に対する生物学的製剤には、ファセンラのほか、抗IgE抗体・ゾレアや抗IL-5抗体・ヌーカラ、抗IL-4/13受容体抗体デュピクセントがある。ゾレアは小児も含めた投与量換算表が設定されている。ヌーカラは「①6歳以上12歳未満②12歳以上の小児」、デュピクセントは「12歳以上の小児」の用法・用量が設定されている。
▽セプーロチン静注用1000単位(乾燥濃縮人プロテインC、武田薬品):「先天性プロテインC欠乏症に起因する次の疾患の治療及び血栓形成傾向の抑制・静脈血栓塞栓症・電撃性紫斑病」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。
ヒト血漿を分画して精製し、ウイルスの除去および不活化処理を施した静脈内注射用の乾燥濃縮人プロテインC製剤。対象疾患である先天性プロテインC欠乏症は、肝臓で産生されて血液凝固を抑制する働きがあるプロテインCを先天的に欠乏していることにより血液凝固亢進状態となり、ときに致死的な血栓症を発症する。セプーロチンは、内因性プロテインCと同様に抗凝固作用を発揮する。海外では欧米など40カ国以上で販売されている。
▽オビザー静注用500(スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、武田薬品):「後天性血友病A患者における出血抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。
遺伝子組換えブタ血液凝固第VIII 因子製剤。対象疾患である後天性血友病Aは、正常な第VIII 因子遺伝子を有する患者に凝血促進作用の機能的欠損を引き起こす、ヒト血液凝固第VIII 因子に対するインヒビター(自己抗体)の出現に起因する、まれな出血性疾患。海外でオビザーは、米国、欧州など30以上の国と地域で承認されている。
▽ベスポンサ点滴静注用1mg(イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)、ファイザー):「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」を対象疾患に小児用量を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22抗体。18年1月に「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病(ALL)」の効能・効果で承認されており、成人での用法・用量が設定されている。ファイザーによる小児用量追加の一変申請は、医師主導の国内第1相INO-Ped-ALL-1試験および医師主導の海外第1/2相ITCC-059試験の結果に基づく。
小児ALLは小児期に発生する造血器悪性疾患の中で最も高頻度にみられ、2~5歳に発症することが多く、小児10万人あたり年間3~4人が発症し、日本では年間約500人の小児患者が新規に診断されている。