大塚製薬 ループス腎炎治療薬・ボクロスポリンを承認申請
公開日時 2023/11/15 04:46
大塚製薬は11月10日、経口免疫抑制薬・ボクロスポリン(一般名)について、ループス腎炎を対象疾患に承認申請したと発表した。
ボクロスポリンは、T細胞の増殖・活性化に重要な酵素であるカルシニューリンを阻害することで免疫抑制作用およびポドサイト(糸球体上皮細胞)の保護効果を発揮する経口免疫抑制薬。大塚製薬は2020年に、カナダのバイオ医薬品企業・オーリニア社から同剤の日本と欧州における独占的開発販売権を取得。22年9月に欧州医薬品庁(EMA)から成人の活動性ループス腎炎の適応で承認を得た。米国では21年1月にオーリニアが米国FDAから同適応で承認を取得している。
ループス腎炎は、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)によって引き起こされる高度なタンパク尿を伴う糸球体腎炎で、SLEの最も深刻な合併症のひとつとされる。比較的若年に発症することで、SLE患者におけるループス腎炎の合併は生命予後の悪化につながる末期腎不全へのリスクを高めていると考えられている。副腎皮質ステロイドが標準治療で、ミコフェノール酸モフェチルなどの免疫抑制剤を併用する場合がある。タンパク尿を伴う糸球体腎炎の速やかな寛解達成と、その後の副腎皮質ステロイドの減量が課題となっている。