ブリストル・マイヤーズ スクイブ（BMS）は11月6日、沢井製薬のダサチニブ錠が同社の特許権を侵害するとして、損害賠償請求を含む本案訴訟提起など法的に可能なありとあらゆる手段を検討していると警告した。同社は7月18日付で東京地裁に対し、沢井製薬のダサチニブ錠の製造販売の差し止めを求める仮処分命令申立事件を提起した。それにも係わらず沢井製薬が10月4日付で対象製品の効能効果・用法用量の追加承認のプレスリリースを発表したことを重視し、同社は、「市場への影響などを考慮し、弊社として正式にステートメントとして表明した」と強調している。

BMSは、沢井製薬のダサチニブ錠について、「慢性骨髄性白血病（ただし、イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病を除く）」を「効能または効果」に含む対象製品を製造販売する行為は、BMS Ireland が保有する「特許第3989175号」に係る特許権を侵害すると主張。７月18日に東京地裁に対し、沢井製薬の対象行為差し止めを求める仮処分命令申立事件を提起していた。

これに対し沢井製薬は10月4日付で、ダサチニブ錠 20mg／50mg「サワイ」－「効能又は効果」「用法及び用量」追加承認取得のお知らせと題するプレスリリースを発表。BMSとしては、これに「対象行為は、特許権侵害であり、禁止されるべき行為であると考えている」と改めて主張。「本件仮処分命令申立事件において仮処分命令の発令を求めていくほかにも、対象行為および対象製品に関して法的に可能なありとあらゆる手段を講じてまいります」とコメントした。なお、沢井製薬側は、「訴訟中でありコメントは差し控える」としている。