エンハーツの米国特許訴訟で米地裁が申立を棄却 控訴含めてあらゆる法的手段検討へ 第一三共
公開日時 2023/10/19 04:50
第一三共は10月18日、抗体薬物複合体(ADC)・エンハーツの米国特許('039 特許)をめぐり米Seagen社と争っていた特許係争で、米国テキサス州東部地区連邦地方裁判所が同社の申し立てを棄却する判決を下したと発表した。判決では同社に4180万ドルの損害賠償の支払いに加えて、24年11月4日までのエンハーツの米国売上に対する8%のロイヤルティの支払を命じた。同社は判決を不服として、米国連邦巡回区控訴裁判所への控訴を含めてあらゆる法的手段を検討する方針だ。
◎米国特許満了の24年11月4日まで米国売上に対する8%のロイヤルティの支払い命じる
同訴訟は、Seagen社が20年10月19日に'039特許の侵害を主張し、テキサス州東部地区連邦地方裁判所に提訴したことに始まる。米国テキサス州東部地区連邦地方裁判所は22年7月19日にSeagen社の主張を認める判決を下す。第一三共側はこれを不服として申立(post-trial motions)を提出していたが、今回の1審判決により同社の申立は棄却された。判決では損害賠償額に加えて、22年4月1日からSeagen社の米国特許('039 特許)が満了する24年11月4日までのエンハーツの米国売上に対する8%のロイヤルティの支払も命じられた。
今回の判決について同社は、「引き続き当社の権利を守るべく、米国連邦巡回区控訴裁判所への控訴を含めてあらゆる法的手段を検討する」とコメントしている。